やはり俺の俺ガイル考察はまちがっている。
俺ガイルは言わば謎解きのないミステリーとして書かれ
なれば考察とはその真実を暴く行為である。
八幡は読者を誘導する「信頼できない語り手」であり
雪乃の印象的な台詞は「読者への挑戦状」である。
雪乃は物語の初めから結衣の想いを知る。
だから雪乃は自身の恋を諦めた。
結衣は自ずから多くを察する。
雪乃が八幡に想いを寄せる事も八幡が雪乃を諦められない事も。
八幡は見過ごし見逃し見ぬふりをする。
その思考や推測はまちがっている。
しかし八幡は正しく観測する。
人物の動作や台詞は正しく描写され 小説的技法も正しく機能する。
そこに顕れる矛盾が手掛かりである。
そして物語は密かに自白する。
「これからもずっと仲良くしたいの。どうしたらいいかな?」
結衣は正しい。雪乃は黙秘する。小町や材木座は解を示す。
誰もが役割を隠し持つ。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
は、 ひどく小説的で修辞的でしかし徹底して論理的である。
そう書かれている。
ここにその読解の手掛かりを記す。
たぶん。知らんけど。