02巻 チェンメ、スカラシップ
5月。八幡は川崎沙希の塾の受講料問題を解決する。八幡は自身に好意を寄せる結衣を拒絶し、結衣は八幡のその誤解あるいは自罰的な自意識を嘆く。
八幡はかつて折本かおりを好きだった。八幡、結衣・平塚とメールアドレスを交換する。平塚は職場見学が三人一組であることを八幡に告げる。
俺を捜していたという事実が耐えがたいほどに恥ずかしかったせいなのか、思い出したように顔を赤らめるvol.02, l.0239
齟齬。結衣は八幡の連絡先を聞くことを恥ずかしがっている。
なお雪乃と八幡の連絡先の交換は本編終了後。
「お前今酷いリアクションしてることに気づいてる?」vol.02, l.0268
齟齬。八幡は異性とメールした経験を主張している。結衣は八幡が過去に交際していた可能性にショックを受けている。
結衣に誹謗中傷チェーンメールが届く。結衣は雪乃に毎日メールしている。雪乃は国公立理系志望、八幡は私立文系。結衣は火曜日に勉強会の開催を宣言する。
「志望としては国公立理系だけど」vol.02, l.0569
後に 「......一応、文系ということにはなっているわ」
vol.10, l.4227 として文転する。
ファミレスで勉強会。雪乃はドリンクバーの利用法を知らない。八幡は小町と川崎大志を見かける。結衣は小町の名を既に知っている。
「何故あいつが男子とファミレスに......」vol.02, l.0666
川崎大志と川崎沙希の朝帰りに関する相談。小町曰く 「お姉さんが不良化したんだって。夜とか全然帰ってこないらしいよ。」
vol.02, l.1543
っつーか、なんでお前妹の名前知ってんの?vol.02, l.0677
結衣は八幡の事故後に比企谷宅を訪れ小町と逢っている。小町曰く 「お菓子もらった。」
vol.01, l.2257
チェーンメールの犯人は恐らくは平塚と葉山。 誰がチェーンメールを送ったか? 参照。
戸塚は既に職場見学グループに行く人を決めている。八幡と戸塚はお互いを名前呼びする。葉山ら男性陣は四人組。
「お前は誰と行くか決めたの?」/「ぼくは、もう、決めてる、よ」/クラスに友達がいて当たり前だろうvol.02, l.0761
齟齬。 なんという叙述トリック
vol.02, l.1441 。
例えばらーめんなりたけに並んでいるときにvol.02, l.0770
なりたけ初出。
結衣も八幡も職場見学の行き先を決めていない。
どこかシンクタンクか、研究開発職かしら。vol.02, l.0898
雪乃は中学卒業以降の一年余りの間に家業の継承を諦め(ようとし)た。1巻イラストの進路指導アンケートでは雪乃は卒業アルバムの将来の夢に 父の地盤を継いで立候補
vol.01, l.3591 としている。
葉山は平塚に奉仕部を紹介される。葉山の依頼、誹謗中傷チェーンメールを「丸く収める方法を知りたい」、「犯人捜しがしたいんじゃない」。誹謗中傷は先週末から、職場見学のグループ分けは昨日。結衣「四人の中から一人だけ仲間外れ」雪乃「三人の中に犯人がいる」。
大和はラグビー部/大岡は野球部だ。vol.02, l.1139
1巻では サッカー部二人とバスケ部の男子二人、女子三名
vol.01, l.1521 。まあどうでもいい。
三浦は誹謗中傷に反応しない。八幡は戸部大和大岡を観察する。
謎解き。戸部大和大岡は仲良くはない。チェーンメールの犯人は解らないが解決はできる。
八幡案、戸部大和大岡でグループを組む。他方は葉山八幡戸塚。
進路調査票回収以降、この週には日時に関する矛盾がある。誤記か故意かは不明。
「今週でも火曜日は市教研で部活ないからそこもいいかも」vol.02, l.0576
1章、結衣がチェーンメールを受け取った日は今週かつ火曜日以前、すなわち月曜日放課後。
市教研の日は学校も早く終わり、部活もないのでもってこい。vol.02, l.0598
2章の勉強会は火曜日。
昨日帰りのHRで担任が言った「職場見学」vol.02, l.0704
3章の戸塚の名前呼びは水曜以降の休み時間。かつグループ分けの発表は火曜日以降。
昨日のトピックといえば、初めて戸塚を下の名前で読んだことくらいだ。vol.02, l.1088
よって3章の葉山の相談は木曜日以降。
「昨日、言ったでしょ?うちのクラスで回ってるやつ......」vol.02, l.1007
葉山の相談は木曜日以降であるにも関わらず、結衣は1章のチェーンメールへの言及を「昨日」だとしている。矛盾している。
「昨日はあれだ、職場見学のグループ分けするって話があった」vol.02, l.1091
あるいは同じく、葉山の相談とグループ分けの間には戸塚の名前呼びの日を挟むにも関わらず、火曜日のグループ分けの発表を昨日としている。矛盾している。
よって、上記のどこかに誤記もしくは八幡のまちがいがある。
「お兄ちゃんはほんと真面目だよ」vol.02, l.1562
誰かが不真面目である、ということであれば、川崎大志の相談が真に沙希を心配したものではなく小町に話しかけるきっかけであること、小町が八幡にそれを話した理由がただの時間つぶしであること、などを指すか。
八幡は遅刻。川崎沙希も遅刻。
勉強会。小町、結衣、雪乃、戸塚、自己紹介。小町は結衣に気付く。大志曰く、沙希は今年度朝帰りしている。雪乃は相談を受ける。
「私、比企谷くんのこと名前くらいしか知らないのだけれど。」vol.02, l.1810
伏線。 「雪ノ下雪乃ですら嘘をつく。」はまちがっている。 参照。
雪乃案、アニマルセラピー。カマクラを呼ぶ。
大志曰く沙希は猫アレルギー、雪乃案失敗。戸塚案、平塚に頼む。沙希、反撃。失敗。
材木座案、メイドカフェ。
「材木座、ほんとうにこの店なんだろうな」/「ああ、間違いない」vol.02, l.2254
材木座は八幡の斜め下の解の提示役。川崎沙希は他方の「エンジェル」に居る。
結衣案、恋させる。葉山「結衣も頑張れよ」。川崎沙希は葉山に興味がない、失敗。
「結衣も頑張れよ」vol.02, l.2476
葉山が結衣の八幡への感情を知っている表現。
葉山が知っていても不思議ではない。 結衣の料理作りは事前に相談されている。「優美子とか姫菜とかにも聞いたんだけどさ」
vol.01, l.1033 。
一旦解散、ホテルラウンジへ。戸塚、材木座は帰宅。
結衣と雪乃はドレス着用。雪乃「背筋を伸ばして胸を張りなさい。顎は引く」。勤務中の川崎を発見する。川崎は八幡を認識しない。バーはMAXコーヒーを置いている。川崎曰く、金が必要だがそれは遊ぶ金ではない。八幡は翌朝に川崎と約束する。
「まぁ、あるんだけどね」vol.02, l.2750
マッ缶を置かせているのは八幡父。 「あ、あと、いつもの」
vol.A03, l.3560 。
「だから、もう大志と関わんないでね」vol.02, l.2767
沙希が大志を大切に思っている表現だろう。
「シンデレラならあと一時間ちょっと猶予があったけれど」/「それはどうかしら、人魚姫さん」vol.02, l.2773
シンデレラは時間切れした後にハッピーエンド。人魚姫の時間切れはバッドエンド。
川崎は自身の学費を稼ぎたい、「親にも大志にも迷惑かけたくない」。小町曰く、「大志君だって沙希さんに迷惑かけたくない」。八幡案「スカラシップって知ってる?」
帰路。小町は八幡に結衣がお菓子の人であることを伝える。
職場見学。平塚は奉仕部ルールを変更する。八幡は結衣に「気にして優しくしてんなら、そんなのはやめろ」と告げる。結衣は否定するが逃げる。
「気にして優しくしてんなら、そんなのはやめろ」vol.02, l.3183
八幡が結衣の好意を拒絶する理由。だから、もう一歩くらいは、踏み込んでも、いいのだろうか。
vol.06, l.3096 まで有効、だろう。
かつて八幡に優しくした折本かおりは単に誰にでもその態度を取る種の人間であった。であるから経験上、八幡は自身に対する好意を信じない、ということ。