02巻 チェンメ、スカラシップ

02巻 チェンメ、スカラシップ

5月。八幡は川崎沙希の塾の受講料問題を解決する。八幡は自身に好意を寄せる結衣を拒絶し、結衣は八幡のその誤解あるいは自罰的な自意識を嘆く。

プロローグvol.02, l.0016

八幡は屋上で川崎沙希と出会う。沙希は八幡の職場見学希望調査票を見て八幡を軽蔑する。

こうして由比ヶ浜結衣は勉強することにした。vol.02, l.0095

月曜日、中間試験2週間前。

結衣に誹謗中傷チェーンメールが届く。八幡、結衣・平塚とメールアドレスを交換する。

俺を探していたという事実が耐え難いほどに恥ずかしかったせいなのか、思い出したように顔を赤らめる。vol.02, l.0229

齟齬。結衣は八幡の連絡先を聞くことを恥ずかしがっている。

なお雪乃と八幡の連絡先の交換は本編終了後。

「お前今酷いリアクションしてることに気づいてる?」vol.02, l.0256

齟齬。八幡は異性とメールした経験を主張している。結衣は八幡が過去に交際していた可能性にショックを受けている。

志望としては国公立理系だけどvol.02, l.0539

後に 「……一応、文系ということにはなっているわ」vol.10, l.4002 として文転する。

きっと、比企谷小町は大きくなったらお兄ちゃんと結婚する。と俺は思っている。vol.02, l.0565

火曜日午後。 八幡・結衣・雪乃で勉強会をする。

小町が川崎大志から川崎沙希の朝帰りについての相談を受ける。

っつーか、なんでお前妹の名前知ってんの?vol.02, l.0639

結衣は八幡の事故後に比企谷宅を訪れ小町と逢っている。小町曰く 「お菓子もらった。」vol.01, l.2148

「何故あいつが男子とファミレスに……」vol.02, l.0639

川崎大志と川崎沙希の朝帰りに関する相談。小町曰く 「お姉さんが不良化したんだって。夜とか全然帰ってこないらしいよ。」vol.02, l.i1461

いつでも葉山隼人は整えている。vol.02, l.0664

水曜日。

八幡と戸塚はお互いを名前呼びする。

葉山、平塚の紹介で、奉仕部にチェーンメールの収拾を依頼する。結衣はその動機を職場見学のグループ分けだと推定する。

木曜日。結衣・八幡は葉山の友人らを観察する。葉山以外の3人の間はさして仲良くない。

金曜日。八幡案。葉山以外の3人をグループとし、葉山・八幡・戸塚でグループになる。

チェーンメールの犯人は恐らくは平塚と葉山。 誰がチェーンメールを送ったか? 参照。

「お前は誰と行くか決めたの?」 / 「ぼくは、もう、決めてる、よ」 / クラスに友達がいて当たり前だろうvol.02, l.0718

齟齬。 なんという叙述トリックvol.02, l.1365

例えばらーめんなりたけに並んでいるときに。vol.02, l.0732

なりたけ初出。

どこかシンクタンクか、研究開発職かしら。vol.02, l.0851

雪乃は中学卒業以降の一年余りの間に家業の継承を諦め(ようとし)た。1巻イラストの進路指導アンケートでは雪乃は卒業アルバムの将来の夢に 父の地盤を継いで立候補vol.01, l.3415 としている。

大和はラグビー部 / 大岡は野球部だ。vol.02, l.1074

1巻では サッカー部二人とバスケ部の男子二人、女子三名vol.01, l.1451 。まあどうでもいい。

時間軸の矛盾

進路調査票回収以降、この週には日時に関する矛盾がある。誤記か故意かは不明。

「今週でも火曜日は市教研で部活ないからそこもいいかも」vol.02, l.0547

1章、結衣がチェーンメールを受け取った日は今週かつ火曜日以前、すなわち月曜日放課後。

市教研の日は学校も早く終わり、部活もないのでもってこい。vol.02, l.0568

2章の勉強会は火曜日。

昨日帰りのHRで担任が言った「職場見学」vol.02, l.0673

3章の戸塚の名前呼びは水曜以降の休み時間。かつグループ分けの発表は火曜日以降。

昨日のトピックといえば、初めて戸塚を下の名前で読んだことくらいだ。vol.02, l.1029

よって3章の葉山の相談は木曜日以降。

「昨日、言ったでしょ?うちのクラスで回ってるやつ……」vol.02, l.0953

葉山の相談は木曜日以降であるにも関わらず、結衣は1章のチェーンメールへの言及を「昨日」だとしている。矛盾している。

「昨日はあれだ、職場見学のグループ分けするって話があった」vol.02, l.1032

あるいは同じく、葉山の相談とグループ分けの間には戸塚の名前呼びの日を挟むにも関わらず、火曜日のグループ分けの発表を昨日としている。矛盾している。

よって、上記のどこかに誤記がある。

いろいろあって川崎沙希は拗ねている。vol.02, l.1385

試験目前。川崎大志が姉の川崎沙希の朝帰りを奉仕部に相談する。雪乃案、アニマルセラピー。戸塚案、平塚による接触。材木座案、メイド喫茶調査。結衣案、葉山による接触。

奉仕部は深夜労働する沙希を発見する。八幡は沙希の労働理由が金銭的な事情であることを看破し、沙希にスカラシップ制度を紹介する。

小町、結衣が八幡の交通事故に関与していた件を八幡に明かす。

「お兄ちゃんはほんと真面目だよ」vol.02, l.1481

誰かが不真面目である、ということであれば、推測するに、川崎大志の相談が真に沙希を心配したものであるというよりは(同じく総武高に兄を持つ)小町に話しかけるきっかけであること、小町が八幡にそれを話した理由がただの時間つぶしであること、などを指すか。

「私、比企谷くんのこと名前くらいしか知らないのだけれど。より正確に言うのならば、それ以上のことを知りたくもないのだけれど。」vol.02, l.1715

伏線。 「雪ノ下雪乃ですら噓をつく。」はまちがっている。 参照。

「材木座、ほんとうにこの店なんだろうな」 / 「ああ、間違いない」vol.02, l.2130

材木座は八幡の斜め下の解の提示役。川崎沙希はもう一つの「エンジェル」に居る。

「結衣も頑張れよ」vol.02, l.2342

葉山が結衣の八幡への感情を知っている表現。結衣はクッキー作りについて事前に三浦優美子や海老名姫菜に相談しているので葉山が知っていても不思議ではない。

「まぁ、あるんだけどね」vol.02, l.2600

マッ缶を置かせているのは八幡父。 「あ、あと、いつもの」vol.A3, l.3559

「だから、もう大志と関わんないでね」vol.02, l.2614

沙希が大志を大切に思っている表現だろう。

「シンデレラならあと一時間ちょっと猶予があったけれど」 / 「それはどうかしら、人魚姫さん」vol.02, l.2619

シンデレラは時間切れした後にハッピーエンド。人魚姫の時間切れはバッドエンド。

またしても、比企谷八幡は元来た道へ引き返す。vol.02, l.2909

試験後の月曜日。職場見学。

平塚、八幡に、結衣の加入に応じて勝負の仕様変更を告げる。

八幡は自身への優しさを信じない。故に八幡は結衣を拒絶する。結衣は八幡のその誤解あるいは自罰的な自意識を嘆く。

「気にして優しくしてんなら、そんなのはやめろ」vol.02, l.3013

八幡が結衣の好意を拒絶する理由。7巻まで有効、だろう。

かつて八幡に優しくした折本かおりは単に誰にでもその態度を取る種の人間であった。であるから経験上、八幡は自身に対する好意を信じない、ということ。