結1巻 冬休み

結1巻 冬休み

12月末から1月。 結衣は折本を通して八幡の人間関係への執着の無さを知る。結衣は八幡が自身を選択したことを知り、しかし雪乃との関係性を持続させるべく、積極的な行動を開始する。

prelude

1. 本編6.5巻のクリスマスパーティー後。 近くのショッピングモール, 途中にある広い公園, 大通り, 横断歩道 vol.Y01, l.0024

話者は結衣。八幡は結衣と雪乃にお揃いのシュシュを贈る。雪乃はシュシュを身に着けて「メリークリスマス」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷小町
  • 聖地
    • 近くのショッピングモール : 三井アウトレットパーク幕張。
    • 途中にある広い公園 : 幕張海浜公園。
    • 大通り : 公園大通り。
    • 横断歩道 : 京葉線沿い。公園大通りを渡る横断歩道は京葉線沿いのみ。

本編6.5巻収録の そのクリスマスキャンドルが揺れる時......。vol.06.5, l.4713 を結衣視点で描いたもの。

ひとつひとつを比べたら、結構そこそこ似ているものばっかりなのに、全然違うものになってしまうvol.Y1, l.0033

暗喩。俺ガイル本編と結。あるいは高校卒業前と後の人間関係。

彼の死んだ魚みたいな目がいつもより優しかった。 / その眼差しを見て、「ああ、そっか、楽しかったんだな」って思うとvol.Y1, l.0047

本編での結衣の設定の強調。結衣は八幡や雪乃の感情を正しく推定しそれに沿って振る舞う。

砂糖菓子のサンタもお家も、チョコレートのプレートも全部ひとり占め。vol.Y1, l.0070

暗喩。俺ガイル結でも結衣の願いは本編と変わらず「全部欲しい」であるということ。

ただしこの「全部」は雪乃の幸せを含み、であるから八幡の全てを意味するわけではない。

「大事にする」言葉よりもちゃんと伝えようと、そのシュシュをぎゅって抱きしめる。vol.Y1, l.0132

俺ガイル結での結衣の行動原則の一つ。雪乃に遅れを取った場合に、結衣は言葉よりも行動で示す。 「また、明日ね」vol.Y1, l.2692 も同様。

あたしも、なにか言ったほうが良かったかなって、ちょっとだけ後悔してしまった。 / だから、あたしは腕を上げて、ひらりと大きく手を振ったvol.Y1, l.0177

以降結衣は別れ際に積極的に行動する。

一二月の夜風は冷たいけれど、並んで歩いていれば、全然気にならなかった。vol.Y1, l.0025 / 一二月の夜風はやっぱり冷たくて、ちくちく刺すように痛い。vol.Y1, l.0179

対比。下記の結衣が「気づいてしまった」事が、結衣にとっては辛いことだ、ということ。

2. 気づかないうちに vol.Y01, l.0182

話者は結衣。「ずっと前から、好きだったんだ」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣

気づいてしまったら、もう知らない振りなんてできない。 vol.Y01, l.0185

ずっと見ない振りして、ずっと知らないふりして、ずっとわからないふりをしてきた。 / 本当は気づいているのに。 vol.13, l.2635 との対比だろう。

俺ガイル本編での結衣の主張は「好意の表明を封じて、ずっとこのまま」であった。俺ガイル結ではこの対比が示す通りに結衣はそれぞれの好意の存在を前提に行動する。

ずっと前から、好きだったんだ。vol.Y1, l.0187

「誰が」「誰を」好きだったのか、が意図的に排除されている。本文中の記載に従えば

を意味しよう。

少なくとも「結衣が」「八幡を」好きだったことに気づいた、のみでは不足だろう。言うことも / していなかったvol.Y1, l.0185 , 踏み出せないvol.Y1, l.0186 という記述は 「待たないで、......こっちから行くの」vol.06, l.3029 という台詞とは矛盾する。

1. そうして、比企谷八幡の冬休みが始まる。

1. クリスマス過ぎ、 比企谷宅 vol.Y01, l.0189

八幡の年末。カレンダーめくりを中断、掃除も中途半端。アニメ見て寝る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 比企谷父, 比企谷母, カマクラ

本来向き合わなければならないことに背を向けているような気がする。vol.Y1, l.0192

雪乃と結衣のどちらを選ぶか。二人とも選ばないか、二人とも選ぶか。

2. 日中、 比企谷宅 vol.Y01, l.0264

比企谷母との日常会話。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷母
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 比企谷父, カマクラ

3. 日中、 海浜幕張のシネコン vol.Y01, l.0327

結雪は八幡の贈り物を身に付けていた。八雪結で映画を観ることに。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 折本かおり, 仲町千佳
  • 聖地
    • 海浜幕張のシネコン : メッセ・アミューズ・モール内ユナイテッド・シネマ幕張。5巻で戸塚と行った映画館。ゲーセンはGiGO幕張。

4. 日中、 海浜幕張のシネコン vol.Y01, l.0453

八幡は仲の良い結雪を見ている。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣

2. ほんのりと、紅茶の香りが漂う場所で。

1. 夕方、 外階段 vol.Y01, l.0480

映画後のお茶。雪乃案、近所のカフェへ。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 折本かおり, 仲町千佳
  • 聖地
    • 外階段 : メッセアミューズモール西端。

2. 夕方、 折本バ先カフェ vol.Y01, l.0588

カフェでは折本が勤務している。折本、結衣、雪乃で自己紹介。折本はバイトに勧誘する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 比企谷母
  • 聖地
    • 折本バ先カフェ : cafe okano. バレンタイン通り海側端。

「ヒッキー、......の部活の部長、です」vol.Y1, l.0774 / 由比ヶ浜のネーミングセンスが笑われているような気がして、それを庇いたかったのかもしれない。vol.Y1, l.0781

本編と同様に八幡の推測がまちがっているとするなら、雪乃は八幡を名字で呼び捨てる折本に対抗した、か。

「ありがとー!......ございます?」vol.Y1, l.0827 / もともと気を遣う性質の由比ヶ浜ではあるが、折本に対してはそれが少々過剰なようにも感じる。vol.Y1, l.0838

そこで聞いてた印象と、折本さんの態度はちょっとだけちぐはぐで、だからあたしはびっくりしたのかもしれないvol.Y1, l.1186 が理由か。であれば、八幡から折本に対する距離感と、折本から八幡や結衣に対する距離感とが大きく異なり、結衣にとってもどちらの距離感に合わせていいか分かりにくい、ということ。

中学の時にも折本とこんな感じの会話をしていたような気がする。 / それが妙に懐かしく、それでも痛ましくはなかった。vol.Y1, l.0885

この時点で八幡はすでに折本による傷を克服している。 始まってもいなかったものを、今になってちゃんと終わらせることができた気がしたvol.08, l.2082  。

3. 夕方、 折本バ先カフェ vol.Y01, l.0890

雪乃は奉仕部の時間を削ってほしくない、八幡や結衣にバイトしてほしくない。八幡は結衣や雪乃に知らないことを増やして欲しくない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 平塚静, 三浦優美子, 折本かおり

夏のときは何もできなかったしvol.Y1, l.0922

恐らくは八幡の誕生日、あるいは花火大会で告白寸前に至ったこと。 「携帯、いいのか」 / 彼女の言葉の続きを押し留めた。vol.05, l.2298

「ヒッキー、学校での仕事はなんだかんだ言いながらちゃんとやるのに......」vol.Y1, l.1006 / (その本当の理由を) 言葉で定義してしまうのは何か重大なまちがいのような気がした。vol.Y1, l.1012

八幡の「自身の好意を言語化しない」という態度が俺ガイル結でも共通だということ。さらに言えばおそらく俺ガイル結は本編と八幡は変わらず結衣の行動の変化による分岐を描くということ。

「その本当の理由」は単純に雪乃を好きだから、で良いだろう。

「あたしは部活が一番大事だから!ゆきのんに黙ってバイトとかしないよ!」vol.Y1, l.1050 / 雪ノ下は純粋に由比ヶ浜との時間を、あの部室での時間を愛おしく感じているからvol.Y1, l.1056

雪乃が八幡や結衣のバイトを否定してみせた理由を結衣や八幡が正しく察している。結衣も八幡も、生徒会長選やクリスマスイベントでの鬱屈がコミュニケーション不全によるものだということを理解していて、それを反復しない。メタな視点では、俺ガイル結は本編とは異なりコミュニケーション不全を描かない、それによる鬱屈を主題としない。

俺は多分、知らないことが増えてしまうのが嫌なのだ。vol.Y1, l.1058

俺ガイル結における八幡攻略法、結衣の勝利条件、か。

3. 小さく密やかに、折本かおりは問いかける。

1. 夜、 幕張海浜公園にほど近い交差点 vol.Y01, l.1064

八幡は結衣雪と別れ帰る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 一色いろは
  • 聖地
    • 幕張海浜公園にほど近い交差点 : 「左に折れれば駅方面、右に曲がれば雪ノ下の住むマンションへと通じる道」を満たす「交差点」は存在しない。結衣の「ヒッキー! よいお年をー!」が雪乃の「メリークリスマス」との対比だとするならば、公園大通りの京葉線高架南側。

2. 夕方。 バス停, 国道を越える大きな陸橋 vol.Y01, l.1091

八幡は折本に誘われ一緒に帰る。八幡は折本に「どちらが好きか」を問われ、答えない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 聖地
    • バス停 : 海浜幕張駅北側。
    • 国道を越える大きな陸橋 : 恐らく東京湾岸道路を超える公園大通りの若葉歩道橋。浜田陸橋には防音壁がある。中瀬歩道橋は「大きな陸橋」とは呼ぶまい。よって八幡宅は幕張近辺。

「ていうか、どっちと付き合ってんの?」 / 前に似たようなことを聞かれたことがあるだけにvol.Y1, l.1145

「あの子たちのどっちかと付き合ってるんだと思ってた」vol.09, l.1476 のこと。

「じゃあ、どっちが好きなの?」 / 今度は即答できなかった。vol.Y1, l.1153

八幡は決めていない。 未だ存在しない答えは口にしえない。vol.Y1, l.1282

俺ガイル本編中ではこの「八幡は結衣と雪乃とどちらが好きか」は問われない。本編中の八幡はそれを正視していない。

interlude

1. 夜、 雪ノ下宅 vol.Y01, l.1160

話者は結衣。八幡と折本の距離感は卒業後の自身と八幡の距離感だと察する。結衣の目標、できることをやろう、忘れないように日記に書く。雪乃に「初詣、どうしよっか」

  • 登場人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 折本かおり

日記、つけてるんだ......。 / 来年の目標決まり。忘れないように日記に書く。 (vol.Y1, l.1262)

結2巻では結衣は日記をつけている。さらにそこで ほんとの言葉って難しい。 / それを探すために書いているのかもしれない。../Y2, l.0050 につながる。

彼にとって、昔の同級生ってこれくらいの距離感なんだって思ったから。vol.Y1, l.1191

折本と八幡の姿が卒業後の八幡と結衣の姿を示すということ。俺ガイル結におけるバッドエンドの定義。本編での 「たまになんかで顔合わせて、世間話のひとつもして、連絡とって集まりもして」 / 「しばらくは頑張ってみても、絶対疎遠になる」vol.14, l.4287 と等しい。

どう思ってるのかわかりづらいんだよね......。何を考えてるのかはわかりやすいんだけど。vol.Y1, l.1209

この時点でのいろはは「本物が欲しい」を覗き見した直後、葉山に告白し振られた直後、である。いろはが八幡や葉山をどう思っているのか、は推定不可能で良いだろう。

悪く言っていいなら、あたしも結構そこそこ言いたいことあるけど!っていうのは自分の中にぐっと収める。vol.Y1, l.1233

俺ガイル結シリーズでの、この時点での3人の関係性の現状。

俺ガイル本編で最終的に至った関係性との対比。

あたしも、彼女も、彼も、変。 / 今はまだ心が伴ってないから、変でしかない。vol.Y1, l.1255

心が伴えば恋。

だから、あたしはできることをやろうと思う。 / 学校とか部活とか仕事とかそういう理由がなくなっちゃっても大丈夫なように。vol.Y1, l.1261

結衣がバッドエンドを回避する決意。

「初詣、どうしよっか」vol.Y1, l.1266

本編との明示的な分岐。できることをやろうと思う の一つめ。

本編では初詣の結衣と雪乃は小町が集めた。その結果結衣は三浦らと八幡・雪乃らとの板挟みに合った。俺ガイル結では結衣が能動的に雪乃と八幡とを集めた。この結果結衣は三浦らとの衝突を回避する。

4. 今も昔も、折本かおりは変わらない。

1. 夜。 湾岸沿いの国道に架かる陸橋, 国際大通り, 線路沿いに続く道 vol.Y01, l.1269

八幡は「どちらが好きか」を決めていない。折本は他校に友達が欲しい。二人は線路沿いに比企谷宅へ。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 玉縄
  • 聖地
    • 湾岸沿いの国道に架かる陸橋 : 東京湾岸道路にかかる若葉歩道橋。。
    • 線路沿いに続く道 : 中瀬歩道橋つまり国際大通りを北上しているなら房総往還。幕張陸橋を北上しているなら京葉道路沿い。

「他校に友達ほしくてさー。」 / 折本にとっての友達はブランドではなくて、もっと違う意味合いを持っている気がするvol.Y1, l.1394

「自転車ですぐ帰れるし、比企谷んち送ってってあげるよ」vol.Y1, l.1454

折本のキャラクター設定の詳細化、外向的で未知の人付き合いを求めるタイプだ、ということか。

比企谷は優しくて好きだけど、......ちょっと付き合えないなぁvol.Y1, l.1432

『比企谷くんは優しくて好きだけど、付き合うとかはちょっと…うん、お友達でいてください』ってかおりちゃんに言われて以来だよ…vol.01, l.1849 が初出。

2. 夜、 比企谷宅前 vol.Y01, l.1471

八幡と折本は比企谷宅前へ。小町と大志がいる。折本離脱。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町, 川崎大志, 折本かおり

5. ある意味、川崎大志は大物である。

1. 夜、 比企谷宅前 vol.Y01, l.1584

大志と小町は塾が同じだが中学は異なる。八幡は大志の面接の練習に付き合う。小町は逃げる。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町, 川崎大志
  • 言及される人物
    • 川崎沙希

2. 夜、 比企谷家と川崎家の中間のコンビニ vol.Y01, l.1818

大志「高校入ってどうやったらモテんすか」。八幡は大志の好感度を稼ぐ。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町, 川崎大志
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 海老名姫菜
  • 聖地
    • コンビニ : 特定不能。比企谷家と川崎家双方ともに現時点特定不能。

なんかちょっと気が楽になってきたっすvol.Y1, l.1764 / 「なんか、やる気出てきたっす」vol.Y1, l.1882 / なんすか今のそれ超かっけぇ!vol.Y1, l.1898

「たまに頑張るからね。だから、変な説得力があるんじゃない?」vol.Y2, l.2931 に従えば、本編2巻の「川崎。お前さ、スカラシップって知ってる?」vol.02, l.3004 の件により八幡を美化している。

「高校入ってどうやったらモテんすか」vol.Y1, l.1839 / 「さっきの件、そっこーで相談行きますから!」vol.Y1, l.1886

「比企谷さんは奉仕部に入ってるの?」vol.A2, l.3104  のこと。

川崎大志が知る奉仕部は2巻、雪乃が八幡と敵対している時期であるので、川崎大志が八幡がモテていると考えているということは、川崎大志が川崎沙希の八幡への好意を把握しているということ。

6. 何があっても、比企谷小町はお兄ちゃんを認めている。

1. 川崎大志を見送ってのち、 コンビニの中 vol.Y01, l.1909

八幡は雪見だいふくを買って帰る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 川崎大志

2. 夜、 比企谷宅 vol.Y01, l.1942

小町は折本の友達と確執があった。八幡は特に何かしなくても周囲にネタにされてるし、小町が積極的にネタにしている。「小町のために、とか考えないように」

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人, 折本かおり, 仲町千佳, 比企谷父, 比企谷母, カマクラ

かつて俺が折本に告白して振られた話を面白おかしく噂して回った奴はそれなりに数がいたはずだ。vol.Y1, l.2052

例えば 「告白した次の日、クラスのみんながそのことを知ってるのは当然のことだな。」 / 失恋に打ちひしがれているところに、今度は社会的抹殺というおまけまでついてくるのだ。vol.07, l.0605

「くれぐれも、小町のために、とか余計なこと考えないように」vol.Y1, l.2096

あの生徒会選挙のときの俺は、小町に理由を与えてもらっていた。 / だから、あの時に俺はたぶんまちがえたのだ。vol.09, l.3038 のこと。

せめて何の準備がなくとも、嘘偽りのない言葉を言えるようになりたいvol.Y1, l.2117

俺ガイル結を通して八幡にはひねくれた応答が少ない理由。 あるいは 嘘も誤魔化しもないようにvol.Y1, l.2262

かつ、八幡の会話相手が時折戸惑う原因が、八幡の応答がひねくれていないから、ということ。『え、あ、......うん。はい』vol.Y1, l.2265 , 「いえ、ちょっと意外だったから」vol.Y1, l.2455 など。

7. ぎこちなくも、由比ヶ浜結衣との電話は繋がっている。

1. 夜、 比企谷宅 vol.Y01, l.2120

結衣から雪乃同行で二年参りの誘い。小町も誘う。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃

2. 夜、 比企谷宅 vol.Y01, l.2212

小町は行かない。小町「お兄ちゃんはちゃんと考えて決めるように。」八幡「ちゃんとするよ」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, カマクラ

「わかってる。ちゃんとするよ」vol.Y1, l.2241

恐らくこの台詞が八幡が結衣を明示的に選択した箇所、その表現だろう。このセリフの前後、 きっと俺が何か自分の願いや想いを言葉と形にすることは、もうないのだろう。vol.Y1, l.2068「とりあえず、一緒に行くってことで」vol.Y1, l.2268 とで八幡の行動が反転している。少なくとも通常八幡はこの種の誘いを断る。

3. 夜、 比企谷宅 vol.Y01, l.2248

結衣は「ちゃんとするよ」を聞いている。その上で八幡の 「行く」に対して結衣は「なんか変だなと思って」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷小町

本編と異なり小町は同行しない。

『うん、聞こえてた』vol.Y1, l.2254 / 『ヒッキーは、どうする?』vol.Y1, l.2258

結衣は 「わかってる。ちゃんとするよ」 を聞いていた。つまり結衣は、八幡が自身を選択したことをその会話から察している。

4. 夜、 比企谷宅 vol.Y01, l.2303

小町は八幡の選択を肯定する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 比企谷父, カマクラ

8. いつでも、雪ノ下雪乃の体内時計は規則正しさを失わない。

1. 新年深夜。 稲毛浅間神社, 一の鳥居 vol.Y01, l.2324

八幡は結衣雪乃と新年を迎える。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 聖地
    • 稲毛浅間神社 : 八幡は京成稲毛から南下している。
    • 一の鳥居 : 浅間神社から見て千葉街道の南側。

2. 新年深夜、 稲毛浅間神社 vol.Y01, l.2365

八幡は結衣雪乃と参拝。「自分の努力次第でどうにかできることは願わずにいよう」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷小町

3. 新年深夜、 稲毛浅間神社 vol.Y01, l.2412

結衣雪乃は小町の合格祈願絵馬を書く。八幡は素直に礼を言う。結衣は訝しむ。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣

4. 新年深夜、 稲毛浅間神社 vol.Y01, l.2467

結衣と八幡は雪乃の誕生日プレゼントを買う約束をする。小町を含まない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 川崎沙希

本編と異なり結衣は三浦らとの板挟みにならず、結衣と雪乃は初詣後に一緒に過ごす。

5. 新年深夜。 稲毛浅間神社, 稲毛海岸駅, 海浜幕張駅 vol.Y01, l.2550

結衣は雪乃宅へ。電車内で雪乃は八幡にもたれて眠る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 聖地
    • 京葉線の駅 : 稲毛浅間神社から海浜松園通りを南下、稲毛海岸駅へ。

6. 新年深夜。 海浜幕張駅, 雪乃タワーマンション前 vol.Y01, l.2620

別れ際に結衣「また、明日ね」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣

「また、明日ね」vol.Y1, l.2692

本編では八幡は雪乃だけを送っている。 「今年も、よろしく」vol.10, l.0609

9. 知っていることと知らないことについて、比企谷八幡は考える。

1. 日中。 ビジョン前, C-one vol.Y01, l.2698

結衣と買い物デート。結衣は小町不在の理由に思い至り「頑張る!」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 比企谷小町
  • 聖地
    • ビジョン前 : 千葉駅中央改札からエスカレータを降りた扇・花の都ちばモニュメント近辺。かつて大型ディスプレイがあった。
    • C-one : 千葉ショッピングセンター C・one。JR外房線高架下。

本編と異なり小町は同行しない。

「小町ちゃん、受験生だもんね」 / 「うん、頑張る!」vol.Y1, l.2789

「頑張る。」結衣が小町が来なかった理由を察した表現。

2. 日中、 センシティ・そごう千葉店 vol.Y01, l.2856

結衣と買い物。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃
  • 聖地
    • センシティ・そごう千葉店 : 千葉駅南側。センシティはビル名。そごうはテナント。

3. 買い物後、 そごうの中にあるカフェ vol.Y01, l.2911

八幡と結衣は葉山・陽乃と会う。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人
  • 聖地
    • そごうの中にあるカフェ : 神戸カプチーノ倶楽部そごう千葉店、閉店。現丸福珈琲店。

10. 何事か、雪ノ下陽乃はたくらんでいる。

1. 日中、 カフェ内 vol.Y01, l.2938

陽乃は雪乃を呼び出す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人
  • 言及される人物
    • 平塚静

「来ないって言ってたんでしょ?」 / 「まぁね。けど、わかんないじゃない?」vol.Y1, l.2973

本編では 「出ないんじゃないかな」 / 「ううん、たぶん今日は出ると思う」vol.10, l.0872 。俺ガイル本編での雪乃は「参加しない」とさえ伝えていない。二年参り後に結衣と雪乃が一緒に帰った影響だろう。

「ふーん......」 / つまらなそうな声で言うと、vol.Y1, l.3013

陽乃にとっても雪ノ下家がコンプレックスの源になっているという表現だろう。

2. 三十分ほど後、 カフェ内 vol.Y01, l.3075

雪乃合流。離席した八幡を陽乃が追いかけてくる。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人
  • 言及される人物
    • 一色いろは

「いいんじゃない? 可愛らしくて」 / 「いいんじゃないですか、可愛らしくて」 vol.Y01, l.3101

葉山の応答は愛想。八幡の応答は嫌悪。

さっきから入り口のほうからちらちらと見られているように感じる。vol.Y1, l.3214

結2巻への布石。このシーンが噂になる。

11. いつまでも、雪ノ下姉妹の関係は推し量ることができない。

1. 日中カフェから出て、しばらく、 女性向けフロア vol.Y01, l.3247

現在の陽乃は孤独で、雪乃との幸福な過去は絶望的に戻らない。陽乃は雪乃へのプレゼントを買う。陽乃は八幡に「もう選んだ?」と問い、しかし八幡は答えない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下陽乃
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 比企谷小町, 平塚静

「それを本物とは呼ばない、だっけ。......なら、何が本物なんだろうね」vol.Y1, l.3467

「ただ一方的に願望押しつけてたというか、勘違いしてただけで、それを本物とは呼ばない」vol.08, l.1828 。尚、バレンタインイベント前であるので、ここでの「本物ではない」は、本編11巻で陽乃が糾弾した慣れ合いの状態の事ではない。

2. カフェに戻った後。 カフェ, エレベーター vol.Y01, l.3479

陽乃は雪乃にプレゼントを渡す。雪乃はそれを喜ぶ。八幡と結衣もプレゼントを渡す。八幡はどちらを選ぶか自体は決めてはいる。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人

「わたしの用はもう済んだから別にどっちでもいいよ」 / 陽乃さんの用というのが雪ノ下に誕生日プレゼントを渡すことだけだったとも思えないがvol.Y1, l.3523

八幡に雪乃と結衣のどちらを選ぶかを問うこと。「比企谷くんは?もう選んだ?」vol.Y1, l.3440

本編と異なり八幡らは雪ノ下母に会わない。但し雪乃は食事に同行しただろう。

「ヒッキーも考えてよ」vol.Y1, l.3551

この時点で、結衣は

他方、八幡は

「ハーフ&ハーフ? とかできないのかな?」vol.Y1, l.3551

砂糖菓子のサンタもお家も、チョコレートのプレートも全部ひとり占め。vol.Y1, l.0070 と矛盾する。

八幡と結衣と雪乃でハーフ&ハーフ、が結衣の解であるということ。

あるべき場所へ向かう正しい道筋を選ぶ。vol.Y1, l.3561

八幡が既に結衣を選んでいるということ。

選ばずにいたら、どこへも行けずに、このまま立ち尽くして終わってしまうvol.Y1, l.3560 とあるので、少なくとも、「どちらも選ばない」は答えではない。