けれど戸塚彩加は運がついている。
キャンプくらいまでは、戸塚が出てくるとラッキースケベシーンが出てきてた。つまり「男の娘」と「ついている」の駄洒落。
八幡が作る友達の一人目。「知りたい」「伝えたい」等々、八幡が意識的に人間関係の構築手段を獲得していく上での一人目。あるいは八幡が人間関係の獲得・維持手法を結衣に教わって、戸塚で実証して、雪乃に試す、みたいな順番。3巻のプライベートに関する質問、4巻のメールアドレスの取得、10巻の進路の聞き方、12巻で結衣を突発でデートに誘う前に戸塚を突発で遊びに誘う、などなど。言い換えれば八幡は対人関係の獲得・維持に障害を抱えている訳ではない。材木座と小町との関係の獲得・維持は能動的なものではないので除外。
「ボーイッシュ」+「男の娘」+「のようできちんと男の子」というテンプレの組み合わせなのはまあ解る。このテンプレの組み合わせはそれなりに新しいとは思う。でも私にはそれ以外のキャラクター設定が解らない。ほぼ全てのキャラクターは12巻以降でその設定が回収される。のだけれど、戸塚の場合にはそれが見つからない。ちょっと早くて 「そういうの話せるのって、すごく羨ましいっていうかさ……」
vol.09, l.2233 、 「辛くても大変でも、泣き言言わないで一人で頑張ってる。そういうの、かっこいいって、思う」
vol.09, l.2257 、つまり八幡への憧れ、だとすると、ではそれが何を意味するか、はよく解らない。ないかも。
ほぼ全てのキャラクターがそこそこにリアリティのある設定の中で、まあアニメ的な髪色とか例外だけども、戸塚のこのファンタジー側に振り切った設定ではさすがに活かせなかったのかな、とも思う。とはいえやはりこのラブコメはまちがっているので、戸塚が友達ルートという事はまちがっている、つまりは本命は戸塚だったんじゃね説、はそれはそれで本当にありだと思ってる。
そいえば俺ガイルではスポーツが描かれない。テニスも柔道もマラソンも非現実的に過ぎる。ラノベ読者にスポーツマンいなそうだしまーいいか。