アンソロジー3 結衣side

アンソロジー3 結衣side

本稿では渡航氏による著編のみ言及する。

いつか、その甘さを好きになることができる気がする。

1. 終業前、 由比ヶ浜父勤務先 vol.A03, l.3061

話者は由比ヶ浜父。氷河期ロスジェネ社畜管理職。若者に寄り添おうとするが嫌われている。結衣と同種の社交スキルを持つ。

  • 登場人物
    • 由比ヶ浜父
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣

結衣父が八幡に似る。それを通して結衣と結婚した場合の八幡の将来の姿を描く。

なんていうか、たぶん、豊かさの基準、みたいなのが変わってるんだよね。 お金さえあれば誰でも簡単に手に入るようなもんじゃなくて、もっと違うものを求めてるのかなーって気がする。vol.A3, l.3086

例えば「本物」。

絵文字顔文字スタンプを使うことも忘れない。vol.A3, l.3062

「絵文字と顔文字とスタンプ全部来るし......」vol.12, l.3576 。由比ヶ浜父のメッセージスタイルは結衣には嫌われている。

2. 夜21時過ぎ。 京葉線, 由比ヶ浜宅 vol.A03, l.3109

由比ヶ浜家では春から結衣作の手作りスイーツが食卓に並び始めた。

  • 登場人物
    • 由比ヶ浜父
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 由比ヶ浜母, サブレ

3. 帰宅後、 由比ヶ浜宅 vol.A03, l.3144

結衣は父に塩対応、母にはじゃれる。結衣はピーチパイを作る。上手くなっている。由比ヶ浜母による攻略法「バレないくらい少しずつ少しずつだんだん甘くしていく」

  • 登場人物
    • 由比ヶ浜結衣, 由比ヶ浜父, 由比ヶ浜母
  • 言及される人物
    • サブレ

「夏風邪は〜」vol.A3, l.3200

「バカが引く」。だとするならばおそらく意味無し。

よくよく見れば、妻が作ったにしては彩りが足りていない気がする。vol.A3, l.3245

以下は八幡が作ったタルトについての評。

「真心こもってていいと思う〜」vol.A3, l.3264

ガハママに教わったとおりに少しばかりの隠し味が施してある。vol.14, l.2008 の隠し味の解。 「やっぱ真心、ですかね」vol.14, l.1886 そのまま。

言って、差し出されたのはクッキーだった。 / 「......ちゃんとしたのは、また今度作ったげる」 vol.A03, l.3309

不明。結衣製の美味しい甘くないクッキーは未出。

競合他社にはないであろうメリットを提示するプレゼン! あえてテンションを上げて前のめりに行くことで / その場の笑い話で済ませることができる高等テクニックだ!vol.A3, l.3361

結衣による提案、 「ずっとこのままでいたいなって思うの」 / 「ゆきのん、それでいい?」vol.11, l.4230 の答え合わせ。

「どうしたらいいのか解らない」という雪乃や八幡に対して、水族館・観覧車を通して、「ずっと、このまま」のメリットを提示した。テンションを上げて前のめりに。八幡がそれを拒否しても、 「ヒッキーならそう言うと思った」 / 由比ヶ浜はにっこりと優しく微笑んだ。vol.11, l.4266 として誤魔化した。

胸を締め付けるような悲しさと悔しさが滲んでいるvol.A3, l.3396

八幡の感情が雪乃に向いていることを結衣が把握している表現。

「ゆっくり焦らずにやればいいの。」 / 大切な秘密の呪文を伝えるような真剣さがそこにはある。vol.A3, l.3392

恋愛を超えて既に人生論。焦らずに好きな人の事を考えているうちに優れた大人に成長する。

なおこの時点で由比ヶ浜母は結衣の失恋を知っている。

「バレないくらい少しずつ少しずつだんだん甘くしていくの〜」vol.A3, l.3406

結衣母による八幡攻略法の指南。現状の結衣と八幡の関係ではこの方法論はとても正しい。

4. 翌日夜。 二つ手前の駅, バーラウンジ vol.A03, l.3414

話者は由比ヶ浜父。雪ノ下父, 比企谷父との会話、恋を覚えた娘への感傷。比企谷父は八幡に著しく似る。マッ缶が用意されている。

  • 登場人物
    • 雪ノ下父, 比企谷父, 由比ヶ浜父
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 由比ヶ浜母, 由比ヶ浜祖父
  • 聖地
    • 二つ手前の駅 : 海浜幕張駅。由比ヶ浜宅は稲毛海岸駅。
    • バーラウンジ : 本編2巻のエンジェル・ラダーに従えば、ホテルニューオータニ幕張の最上階「ベイコートカフェ」

マッカラン / ラフロイグ / ゴッドファーザーvol.A3, l.3494

マッカランは王道、ラフロイグは好みが分かれる程個性的、ゴッドファーザー(が用いるアマレット)は甘い。

本編中はそれぞれ八幡父、結衣父、雪乃父が飲んでいる。それぞれの酒はイメージ的には雪乃父、八幡父、結衣父、に重なると思われる。ズレている。

娘に彼氏がいるのかどうかさえ、怖くて確認することができないのだから。vol.A3, l.3507

軽く矛盾。 「最近、うちのパパとか『彼氏いるのか』とか聞いてきてウザいもん」vol.02, l.0682

「あがいて悩んで苦しんで、その分だけ本気になる......」vol.A3, l.3534

それでも、ちゃんと考えて、苦しんで......。あがいて。vol.11, l.4257 あるいは 考えてもがき苦しみ、あがいて悩み......vol.14, l.6440

「あ、あと、いつもの。人数分お願いしていい?」 / 「マッ缶ですか」vol.A3, l.3565

「MAXコーヒーがあるわけないじゃない」 / 「まぁ、あるんだけどね」vol.02, l.2750 を引く。川崎沙希のバイト先にマックスコーヒー缶がおいてあった理由は髭面氏つまり八幡父がそう要求したから。