09巻 クリスマス

09巻 クリスマス

12月。 八幡の単独行動により奉仕部は鬱屈する。八幡は奉仕部瓦解の正念場で本心を吐き出す。雪乃と結衣の蟠りは解ける。

嘘告白を発端とする連作の完結編。八幡は、自身の理想としていた 理解されないことを嘆かず、理解することを諦めるvol.05, l.2376 のうち 理解することを諦める がまちがっている事を知り、 俺はわかりたいのだ。 / 知って安心したいvol.09, l.3228 と自覚する。

「俺は、本物が欲しい」 vol.09, l.3248 は端的に雪乃を念頭においた発言だが、しかし雪乃には伝わらず、結衣が収拾する。このとき、八幡はこの「本物」の条件を改めて設定し、実際に結衣はその条件を満たすものの、しかし八幡は結衣を本物の対象として想定しない。 本物とはまちがっていて故に人間関係を壊す。 を参照。

「本物が欲しい」以降、雪乃は八幡の行動を模倣する。雪乃は文化祭での八幡と本質的に同じ自爆的な手段で玉縄会議の閉塞を打開する。この模倣は11巻で顕在化しプロム編の主題となる。雪乃が生徒会長選の挫折で喪失したアイデンティティを「本物が欲しい」に寄せる表現であろう。

なお、雪乃と八幡が似た言動を取ること自体は「本物が欲しい」以前から始まっている。この例を下記に示す。

0. されど、その部屋は終わらぬ日常を演じ続ける。

1. 十二月も半ば、夕方、 奉仕部室 vol.09, l.0021

終焉を意識しつつ奉仕部は閉塞した馴れ合いを続ける。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 平塚静, 三浦優美子

1. またしても、一色いろはは扉を叩く。

1. 始業前、 教室 vol.09, l.0120

八幡は自身が何が欲しいか解らない。川崎や戸塚が八幡に挨拶する。三浦と葉山に距離感があるが、しかし彼らでさえ各自が距離感を調整している。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 戸塚彩加, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 川崎大志, 大岡, 大和

今の由比ヶ浜にとっては、三浦たちといることが安らぎなのかもしれない。vol.09, l.0275

この時点での葉山と三浦はそれなりに軋轢を抱えている。これが安らぎであるとは考えがたい。

結衣は人間関係の維持を一人で担う必要がないことに安堵しているか、あるいは、葉山と三浦の軋轢に気付いていないかも知れない。概ね常に正しい結衣はその軋轢が大した問題ではないと判断しているのかも知れない。

戸部はグループ内の不穏な空気を感じて無自覚に行動していたのかもしれないが、海老名さんは自覚的に溝を埋めようとしていたのだろう。vol.09, l.0364

「じゃ、じゃあアレじゃね!初詣とか」vol.09, l.0310 / 「みんなで遊ぶのはいいね」vol.09, l.0318 のこと。

2. 放課後。 教室, 廊下, 奉仕部室 vol.09, l.0464

奉仕部の鬱屈、閉塞は続く。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 戸塚彩加, 三浦優美子

「そうだけどっ! ......あれ? じゃあいいのか」vol.09, l.0475

結衣の目的が八幡と教室を出るという事ではない、ということ。結衣と八幡が一緒に奉仕部に行く目的は、ひと息ついてから、むんと気合いを入れるように, いつものペースで歩いたら、きっと由比ヶ浜を置いてけぼりにしてしまうだろう。 と合わせ、奉仕部室に行く気鬱を抑え込む、こと。

3. 放課後。 奉仕部室, 廊下 vol.09, l.0522

いろはの依頼、海浜総合との合同クリスマスイベント。八幡は雪乃を慮り奉仕部ではなく個人として手伝うとする。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 平塚静, 葉山隼人, 城廻めぐり

「受験生に迷惑かけるわけにはいかないじゃないですかー」vol.09, l.0620 / ふわぽわ天然系キャラを作ってる一色からしたら本物のふわぽわ天然系めぐりんは眩しいのかも知れない。vol.09, l.0622

まちがっている。 「でも、平塚先生がやれって言うから......」vol.09, l.0589 / 「雪ノ下と由比ヶ浜はどうした?」vol.09, l.1098 によれば、クリスマスイベントへの参加自体が平塚の暗躍によるもの。であれば 「受験生に迷惑かけるわけにはいかないじゃないですかー」 も平塚の仕込み。

「どうかしら?」 / 初めて、なんじゃないだろうか。雪ノ下が依頼を受けるか否かを俺たちに問うことは。vol.09, l.0651

理由不明。

確かに依頼を受けるか否かを八幡らに問う事は初めてと見られる。が、後に10巻でも 「この相談、どうしましょうか」vol.10, l.1665 としており、このときには雪乃や八幡に違和感はない。依頼と相談で扱いが異なるのかも知れないし、「本物が欲しい」あるいは「いつか、私を助けてね」等の関係性の変化に伴う変化かも知れない。

4. 一色を見送った後。 廊下, 奉仕部室 vol.09, l.0735

八幡はいろはの依頼を受けた事を雪乃や結衣に明かさない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 一色いろは

2. つつがなく、会議は踊り、されど進まず。

1. 部活動終了後、夕暮れ時、 コミュニティセンター外 vol.09, l.0763

いろはと合流。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 比企谷小町
  • 聖地
    • コミュニティセンター : 千葉市高洲コミュニティセンター
    • 向かいのコンビニ : セブンイレブン、閉店。美浜区高洲3丁目11。

2. 夕方、 コミュニティセンター内講習室 vol.09, l.0834

海浜総合側に玉縄と折本がいる。海浜総合は意識高い系の集団。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 玉縄, 折本かおり

3. 会議終了後、 コミュニティセンター vol.09, l.0993

玉縄は議事進行が下手。海浜総合と総武高校はモチベーションに差がある。平塚合流。クリスマスイベントへの参加依頼は平塚の差し金。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 平塚静, 玉縄
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 副会長

4. 夜、 比企谷宅 vol.09, l.1129

比企谷母帰宅。八幡にパーティバーレルとケーキの予約を指示する。小町「そういうときは『愛してる』でいいんだよ」

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町, 比企谷母
  • 言及される人物
    • 比企谷父, カマクラ

「お兄ちゃん、そういうときは『愛してる』でいいんだよ」vol.09, l.1210

いろは攻略法。小町は理想解の提示役。

「追い詰められてるときって別のことしたほうが気が紛れるじゃん?」vol.09, l.1216

同じく理想解。鬱屈している奉仕部はいろはの依頼を受けるべきだった。

3. 繰り返し、比企谷八幡は自らに問いかける。

1. 夕暮れ時には少し早い放課後。 教室, 奉仕部室 vol.09, l.1222

現時点での問題は総武高校側生徒会。奉仕部の鬱屈は続く。八幡はパーティバーレル予約を理由に途中退出する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 一色いろは

2. 放課後、 コミュニティセンター vol.09, l.1288

副会長の不満はいろはの仕事を拒否する交渉力の弱さに因るもので、八幡はその補強に入る。折本は八幡がいろはを狙っている訳でも雪結と交際している訳でもない事を知る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 玉縄, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 葉山隼人, 副会長

3. 放課後、 保育園 vol.09, l.1492

八幡はいろはと訪れた保育園で京華と逢う。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 川崎沙希, 川崎京華
  • 聖地
    • 保育園 : 不明。複数存在する。

4. 翌日、放課後。 教室, 特別棟の廊下, 奉仕部室 vol.09, l.1629

結衣は八幡がいろはを手伝っている事に気付く。雪乃は不明。八幡は生徒会長選で間違えた。ならばその責任は一人で負わねばならない、と考える。結衣は奉仕部を維持ししかし疲弊している。雪乃は八幡と結衣による暗黙の現状維持に諦めて従っている。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 戸塚彩加
  • 言及される人物
    • 一色いろは

4. だから、戸塚彩加は憧れを抱く。

1. 部室での時間をやり過ごした後。 コミュニティセンター, 校庭, コミュニティセンター vol.09, l.1808

葉山の八幡評、「頼られたら断らない」。葉山「俺は君が思っているほど、いい奴じゃない」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 葉山隼人, 戸部翔, 副会長, 書記ちゃん

「頼られたら断らないからな、君は」 vol.09, l.1878

8巻で雪乃が生徒会長選に失敗した理由は、雪乃がその意図を黙して八幡を頼らなかったことにもあるということ。

「お前だって断らないだろ、別に部活じゃないのに」 / 「俺は君が思っているほど、いい奴じゃない」vol.09, l.1890

葉山が千葉村キャンプに参加したり、文化祭で雪乃を手伝ったり、生徒会長戦で雪乃の応援演説を請け負ったりした理由、の回収。全て葉山は雪乃に頼られても頼まれてもいない。

「俺は君が思っているほど、いい奴じゃない」 / 静かなのに苛烈さを秘めた声音。それはいつだかの夏休みにも聞いたような気がする。vol.09, l.1892

「比企谷君とは仲よくできなかったろうな」 / 優しいだけではなく、どこか苛烈さを秘めた声音vol.04, l.3358 。陽乃に気に入られている八幡への嫉妬の表現。

隙がなく完璧だからこそ、底が知れなくてうすら寒い。あれによく似たものを俺はどこかで見ているはずだ。vol.09, l.1911 も同じく陽乃の笑顔。葉山が陽乃の後を追いその表現手法をクローンしている表現。

であるから葉山が動いた理由は陽乃だということ。

2. 会議中、 コミュニティセンター vol.09, l.1932

合流した小学生の中に鶴見留美がいる。未だ孤立している。八幡は小学生の作業を投機的に捏造する。八幡はイベントの中身の決定を玉縄に迫る。玉縄は会議に持ち込む。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 鶴見留美, 副会長, 玉縄

おそらく、玉縄が一方的に悪いというわけではない。 / 今度も間違えているのは俺のほうかもしれない。vol.09, l.2046

玉縄が一方的に悪い。八幡は この会議の最大のミスは否定が存在しなかったことだvol.09, l.5022 とする。ブレインストーミングにはアイディアの発散だけではなく収束させる作業が必須であって、玉縄はこれを欠いている。

あるいはそもそもアイディア出しの会議と意思決定の会議は別物。

3. 会議中、 コミュニティセンター vol.09, l.2051

会議は白熱するが進まない。海浜総合側は会議すること自体が楽しい。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 玉縄

4. 夜。 コミュニティセンター, 稲毛駅前, 交差点, ファッキン, 十二月の夜の街角 vol.09, l.2114

持ち帰り検討。戸塚は疲れて見える八幡を案じ、理由を問うが、八幡は話さない。戸塚は八幡の孤立を褒める。それを機に逆説的に八幡はいろはの疲弊や鶴見留美の孤立が自身の方法論が導いた結果であること直視し、自身の方法論を疑う。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 戸塚彩加
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 比企谷小町, 材木座義輝, 鶴見留美
  • 聖地
    • 交差点 : 稲毛駅東側。
    • ファッキン : 現ウェンディーズ・ファーストキッチン稲毛駅前店。ウェンディーズとファーストキッチンの合併を受けて2019年に名称・業態変更。

それにどちらかといえば肉より野菜のほうを好んでいたような気がしたが......。vol.09, l.2205

「ぼくは野菜メインだと嬉しいな」vol.07, l.3638

己の中に定めた、自身のあるべき姿を裏切るまいと、そうやって依怙地になっているにすぎない。vol.09, l.2281

「自身のあるべき姿」とは、 孤高を貫き、己が正義を貫き、理解されないことを嘆かず、理解することを諦めるvol.05, l.2376

5. その行く末を平塚静は願っている。

1. クリスマスまであと一週間、放課後。 奉仕部室, 公園のそばを通る道, コミュニティセンター vol.09, l.2295

折本はいろはに八幡との過去を問われしかし話さない。折本も進捗の遅れを認識はしている。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 葉山隼人
  • 聖地
    • 公園のそばを通る道 : 中高浜公園

2. 一週間前、 コミュニティセンター vol.09, l.2391

八幡は自身が指示をしている事に気付き、改める。八幡はキャンプ肝試しでの責任として、一人で作業している留美に寄り添い、しかしそれは免罪符にはならず、八幡は方法論の変化を志す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは, 鶴見留美, 副会長, 玉縄

一人ぽつんと作業している留美を見つけた。vol.09, l.2482 / 留美が満足げな吐息とともに小さな笑顔を見せた。vol.09, l.2537

留美が八幡に笑顔を見せる事が問題なのではなく、見せる笑顔を持ちつつ、同級生などの前ではそれを見せない事、が問題である。

3. 夜。 コミュニティセンター, マリピン, 出口付近の広場, 表通り vol.09, l.2551

雪乃は八幡がいろはを手伝っている事を知っている。雪乃は八幡にクリスマスイベントを奉仕部の活動とするか否かの最終確認をし、八幡は否定する。雪乃「いつも、できているつもりで......、わかっているつもりでいただけだもの」「それで壊れてしまうのなら、それまでのものでしかない」

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜
  • 聖地
    • マリピン : イオンマリンピアショッピングセンター。

「あなたの個人的な行動まで私がどうこうできるわけではないし、そんな資格もないもの。」 / 「私の許可が必要?」 / 「いいや、ただの確認だ」vol.09, l.2642

雪乃は自身の願い。「してほしい」に類する言葉を口にしない。

自虐的に、卑下するかの様に表現し、八幡はこれを裏返さずに理解する。「勘違いしないでよねあなたの為じゃないんだからね!」「そうか俺のためではないのか」という状況。

「個人的な行動ではなく奉仕部の行動としてほしい、許可が必要な状態にしてほしい。」の意。

「謝る必要なんてないじゃない」vol.09, l.2646 / 謝ることも許されないなら、他に何が言えるだろう。vol.09, l.2649

同様。謝れば良い。

「いつも、できているつもりで......、わかっているつもりでいただけだもの」vol.09, l.2668

できているつもりで、その実本当は何もできていないのにvol.09, l.2112「わかるものだとばかり、思っていたのね......」vol.08, l.4286 を引く。

「私たちに気を遣っているなら、それは不要な気遣いよ」 / 「別に気を遣ってるとかじゃねぇよ」 / 言うべき言葉がこれじゃないのは知っている。vol.09, l.2677

「言うべき言葉」は、小町による理想解では謝ること。 「どうせきっとなんかやったお兄ちゃんが悪いし」 / 「だいたい謝ってないし」vol.08, l.3090

「ずっと気を遣っているわ......。あのときからずっと......。だから......」 / しかし、その続きはついぞ出てこず、vol.09, l.2682

その続きは、 「けど、別にもう無理する必要なんて無いじゃない。」vol.09, l.2683 として逆接することから、 「だから、あなたが、あなたたちが望んでいるならって、そう......」vol.09, l.3176 だろう。生徒会長選以降、雪乃も空気を読んで合わせようとしていたということ。さらに、その奉仕部の閉塞の理由が、雪乃はその類の行為について著しく不器用だったからだ、と雪乃が自覚しているということ。

「それで壊れてしまうのなら、それまでのものでしかない......。違う?」vol.09, l.2684

「......それで壊れる関係なら、もともとその程度のもんなんじゃねぇの」vol.07, l.3073 を引く。が、この会話は雪乃がいない場での八幡と葉山の間の会話であって、雪乃は耳にしていないはず、ではある。同じく雪乃と八幡が似た者同士である、という表現だろう。

八幡の側が自省的に記述されているが、社会通念上は、八幡の うわべを取り繕うことがまったくの無駄ではないvol.09, l.2702 方が正しく、雪乃や八幡の 「それで壊れてしまうのなら、それまでのものでしかない」の主張の方がまちがっている。

俺は守ったのではなく、守った気になって、縋っていたのだ。vol.09, l.2698

雪乃ルートの可能性に縋っていた、だろう。

4. 夜。 広場, 東京湾河口にある橋 vol.09, l.2717

平塚と偶然合流。八幡は平塚にイベントの問題点を話す。平塚は八幡が自他の感情を理解しようとしない事を指摘し、正しいブレインストーミング法と弁証法による問題解決とを教える。「誰かを大切に思うということは、その人を傷つける覚悟をすることだよ」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 平塚静
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 玉縄
  • 聖地
    • 広場 : JR稲毛海岸駅南口。
    • 東京湾河口にある橋 : 美浜大橋ないしメッセ大橋。アニメでは美浜大橋。

そういやこれ左ハンドルなんだな / 「私の愛車はこいつだ」vol.09, l.2748

アニメではアストンマーティン、イギリス車。イギリスは日本と同じく左側通行右ハンドルなので、アニメスタッフのミスだろう。なお原作では車種もベンダーも特定されない。

「けれど。感情は理解していない」 / 比企谷八幡がわかろうとしなかったものの正体に気づいてしまう。vol.09, l.2825

感情。八幡は、感情を理解しないのではなく、理解しようとしない、ということ。

あるいは 理解されないことを嘆かず、理解することを諦めるvol.05, l.2376 、あるいは 何も言わなくても通じて、何もしなくても理解できてvol.08, l.4390 の目的語が感情である、ということ。

「ならもっと考えろ。計算しかできないなら計算しつくせ。全部の答えを出して消去法で一つずつ潰せ。残ったものが君の答えだ」vol.09, l.2863

奉仕部の鬱屈の理由の導出法。 「ゆきのんの言ってること、ちょっとずるいと思う」 あるいは嘘告白以降の鬱屈の主因 参照。

「大切なものだから、傷つけたくない」vol.09, l.2911 / 「誰かを大切に思うということは、その人を傷つける覚悟をすることだよ」vol.09, l.2924

弁証法。「本物が欲しい」という問いと解の導出法。 本物は人間関係を壊す 参照。

「お互いがお互いのことを想えばこそ、手に入らないものもある。」vol.09, l.2928

奉仕部の現状。プロム編の主題。 雪乃も八幡も結衣も、他の二人が大切で、しかし誰かを選べば、他方を手に入れられない。

6. それでも、比企谷八幡は。

1. 深夜、 比企谷宅 vol.09, l.2985

八幡は問いを「欲しいものがあっ」て、「触れた気がし」たから、「まちがえた」に再設定し、答えを得る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 比企谷小町, 平塚静, 材木座義輝, 鶴見留美, 玉縄, 比企谷父, 比企谷母, カマクラ

平塚先生は確かにヒントをくれた。たぶん今日に限らず、これまでもずっと教え続けてくれていたのだ。vol.09, l.2994

平塚は嘘告白以降ここまで

と八幡を気にかけ、八幡は平塚の想定通りには動かず、しかし八幡と雪乃の失敗を見守っている。

2. 夕暮れ。 教室, 奉仕部室, 廊下, 空中廊下 vol.09, l.3059

八幡の答えは「クリスマスイベントへの協力を奉仕部に依頼する」。しかし雪乃と八幡はすれ違い、結衣と雪乃は言い争い、八幡は結衣の言葉を聞かない。八幡は言葉を否定し「本物が欲しい」に至る。雪乃は逃げ、八幡は結衣を拒否する。結衣「今のままじゃやだよ」。雪乃は自身の願望を言葉にしないまま八幡の依頼を受ける。結衣も手伝う。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 鶴見留美

「......ゆきのんの言ってること、ちょっとずるいと思う」vol.09, l.3157 / 「......今、それを言うのね。......あなたも、卑怯だわ」vol.09, l.3161

嘘告白以降に鬱屈していた理由、雪乃が立候補した理由。 「言ってくれなきゃわかんないこと」 参照。

「俺は、本物が欲しい」vol.09, l.3244

本物は人間関係を壊す 参照。

7. いつか、由比ヶ浜結衣は。

1. 夜、 比企谷宅 vol.09, l.3364

八幡は自己嫌悪。小町「往々にして個性個性言ってる奴に限って個性がねぇんだ。」

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, カマクラ

「アイデンティティ? はぁー?往々にして個性個性言ってる奴に限って個性がねぇんだ」vol.09, l.3396

「それがあれば、私は救えると思ったから」vol.09, l.4473 の「それ」の解。小町は理想解の提示役。 なお 個性個性いう奴らほど個性がない。vol.05, l.0740 の反復。

2. 翌日、クリスマスまで一週間を切っている金曜日。 家, 教室, 奉仕部室 vol.09, l.3423

八幡は自身の依頼について結衣と雪乃が揃うのを待つ。結衣と雪乃は距離感を調節している。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 三浦優美子

3. 定刻通り、 コミュニティセンター vol.09, l.3499

玉縄によるクリスマスイベント草案、ブレストの結果を総和したのみ。時間も金も不足かつ未検討。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 玉縄, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 副会長

4. 会議を終えて後、 コミュニティセンター vol.09, l.3621

雪乃は問題点を整理と具体策を絞り込む。まずは金の無心。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 玉縄

「...あなたにも、わからないことはあるのね」vol.09, l.3642 / 「これくらいのことはあなたも考えていると思っていたから」vol.09, l.3688

不明。

この種の八幡を捉え直す表現は水族館、 「いいえ、少し意外だっただけ。」vol.11, l.3745 にも現れる。この期間は、ちょうど八幡の「本物が欲しい」という依頼を受けて、雪乃八幡へ依存していく過程である。であるから、

などの描写だろうか。

5. 会議後、 学校の職員室 vol.09, l.3692

金を無心された平塚は話を逸らして八幡らにディスティニィーランドのチケットを渡す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 平塚静

「で、まずは予算と言うわけか......」 / 「君たちはクリスマスの何たるかをわかっていないようだな」vol.09, l.3718

平塚は話題をずらしている。 その予算獲得も平塚先生の反応見る限り難しそうだvol.09, l.4725

6. 翌日土曜日朝。 舞浜駅, 改札外, 案内板の前, 入場待ちの列, エントランスゲート内, ディスティニィーランドの広場 vol.09, l.3825

いろはは葉山を呼ぶ。結衣は人間関係上三浦、海老名、戸部を呼ぶ。雪乃と結衣の距離感が復帰。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔

7. 日中、 スペースユニバースマウンテン vol.09, l.3966

ルートはいろはの考案。戸部がいろは三浦に挟まれた葉山を助けに入る。葉山らも距離感を調整していて、しかし海老名はそれを受け流す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔
  • 聖地
    • スペースユニバースマウンテン : スペース・マウンテン。2024年クローズ、2027年再開予定。

「とべっち、大変そうだねぇ」 / 「そうだな。......助けてやったら?」 / 「ヒキタニくんが変なこと言うからだよ」vol.09, l.4033

海老名の性格。葉山や戸部を一歩引いて見ている上に彼らを助ける義理を感じない。

「そっちはぎくしゃくしてねぇのか」 / 「......うん、おかげさまで」 / きっと、海老名姫菜はまた一つ、小さな嘘を吐いたのだろう。vol.09, l.4050

つまり海老名らもぎくしゃくしている。

8. スペースユニバースマウンテン後、 パンさんのバンブーファイト vol.09, l.4052

パンさんのバンブーファイト。八幡は結衣と雪乃から距離をおこうとするが、結衣が引き戻す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 三浦優美子
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 海老名姫菜, 戸部翔
  • 聖地
    • パンさんのバンブーファイト : プーさんのハニーハント。

となると、俺は海老名さんと戸部と一緒に乗るのか......。vol.09, l.4089

八幡が結衣と雪乃から距離をおいている。

かつ、八幡は雪乃と結衣と一緒に乗っているので、ここで海老名と戸部は二人で乗っている。

9. パンさんのバンブーファイト後、 パンさんショップ vol.09, l.4119

八幡、雪乃、結衣で小町のクリスマスプレゼント選び。結衣は文化祭時の八幡との約束を再確認。八幡は結衣と雪乃の写真を撮る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔
  • 言及される人物
    • 比企谷小町
  • 聖地
    • パンさんショップ : プーさんのハニーハントに併設。

「でも、あたしは、また......来たいな」vol.09, l.4207

結衣や雪乃から距離を置いている八幡を結衣側から修復する言葉。

8. そして、雪ノ下雪乃は。

1. 夜。 パレード, スプライドマウンテン vol.09, l.4242

八幡と雪乃ははぐれ、ライドに二人で乗ることに。陽乃のせいで雪乃はコースター系が苦手。雪乃、落下の写真撮影タイミングで、「いつか、私を助けてね」

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 戸部翔
  • 言及される人物
    • 雪ノ下陽乃, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜
  • 聖地
    • スプライドマウンテン : スプラッシュマウンテン。ベンチも周辺に存在。

「いつか、私を助けてね」 / それはたぶん、雪ノ下雪乃が口にした初めての願いだったのだと思う。vol.09, l.4408

「......本当に、誰でも救ってしまうのね」vol.06, l.4020 を引き、 「いつか、助けるって約束したから」vol.12, l.4853 に繋がる言葉。助ける、救う、は雪乃の人間関係を規定するキーワードである。

9巻のエピソードは、この雪乃の台詞を核として、雪乃の主観によればひどくネガティブなものであり、しかし俯瞰ないし客観ではポジティブなものとなる。 「いつか、私を助けてね」 参照。

2. スプライドマウンテン後、 ベンチ vol.09, l.4410

雪乃は八幡との写真を買った。雪乃は生徒会長選の行動の理由を仄めかす。曰く、陽乃も八幡も雪乃にないものを持っている、だからまた別のものが欲しくなった、「それがあれば、私は救えると思ったから」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃
  • 言及される人物
    • 平塚静, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人

雪ノ下はいつの間にか買い物でもしてきたのか、薄い縦長のビニール袋をバッグにしまっているところだった。vol.09, l.4414

後に結衣が雪乃宅で見つける記念写真。 ああ、やっぱり。って、それだけ思ったvol.12, l.1227

「私にできることが何もないって気づいてしまったから、あなたも姉さんも持っていないものが欲しくなった。......それがあれば、私は救えると思ったから」 / いったい何があれば、何を救えたのだろう。vol.09, l.4474

アイデンティティがあれば。「何を」は恐らく八幡を。

メタではあるが、解は小町や陽乃が示す。

回避することが人を傷つける手段になりうることを知っている。 / 「気づいてたんなら覚悟が足りなかっただけなんじゃねえの」vol.09, l.4588

前者は嘘告白とその後の奉仕部の鬱屈。後者は 「誰かを大切に思うということは、その人を傷つける覚悟をすること」vol.09, l.2924 を引く。平塚のアドバイスに対する八幡の理解が、告白されたら断る覚悟をしておくこと、だということ。

3. もうじき花火が上がる時間。 広場の白亜城前, 白亜城から離れた暗がり vol.09, l.4487

いろはが葉山に告白し断られる。葉山はいろはが自身に告白してきた理由を察し、八幡に当て擦る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔
  • 言及される人物
    • 一色いろは
  • 聖地
    • 白亜城 : シンデレラ城。

一色いろはって 八幡のことなんだと思ってるんですかねー?

4. 夜。 電車の中, 海浜幕張駅, 千葉みなと駅, モノレールに乗る間 vol.09, l.4607

いろはは八幡を自宅近辺まで連れ帰る。いろはは「本物が欲しい」に中てられた。葉山への未練を示しつつ「責任、とってくださいね」

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔

夜の街灯りの中をモノレールは進んでいく。vol.09, l.4635

千葉みなと駅からモノレールに乗るのであれば千葉駅からでも良い。いろはが葉山らと帰る経路を避けた、あるいは八幡らと帰る事を選んだ、ということ。

頑張ってる奴に頑張れとは言ってやれない。小町いわく、そういう時は愛してるでいいと言うが、あれは妹専用の言葉だ。vol.09, l.4678

まちがっている。「愛してる」が理想解。

9. おのずから、一色いろはは一歩を踏み出す。

1. 月曜日の放課後。 生徒会室, 昇降口 vol.09, l.4688

いろははまだ会長職に自信がない。海浜総合には決定役がいない。八幡は私情を持ち込む決定法を示す。八幡らは合議制の破壊を提案し、いろはは意思決定する。八幡らは嘘告白寸前の会話を繰り返す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 副会長, 書記ちゃん
  • 言及される人物
    • 玉縄

「最初の問題提起が面倒くさいもんだ。なら、もう存在してる問題にカウンターをあてればいい」vol.09, l.4847

発想法の一つ。 「これについてはゼロベースから始めることだから、みんな自由にどんどん発言してね」vol.09, l.2058 の反対。 「考えるときは、考えるポイントを間違えないことだ」vol.09, l.2894 の繰り返し。

「あなたの好きにしたらいいわ」 / 「......うん、わかった」vol.09, l.4952

嘘告白直前の会話、 「あなたに任せるわ」 / それに由比ヶ浜もうんと頷く。vol.09, l.3199 の繰り返している状況。

2. 定刻通り、 コミュニティセンター vol.09, l.4957

いろはが玉縄と交渉。折衷を狙う玉縄に対していろはは折れない。合同に固執する玉縄に、八幡は玉縄は責任を分散しようとしていると指摘する。雪乃が嘘告白同様に八幡コピーで自爆、結衣が取り成す。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 玉縄, 折本かおり
  • 言及される人物
    • 副会長

「曖昧な言葉で話をした気になって、わかった気になって、なに一つ行動を起こさない。そんなの前に進むわけがないわ......。何も生み出さない、何も得られない、何も与えない。......ただの偽物」vol.09, l.5064

八幡が取りがちな自爆技の雪乃コピー。かつ、雪ノ下はきゅっと拳を握り、俯いている。 ので、自虐。「本物が欲しい」という曖昧な言葉で話をした気になって行動を起こさない八幡と奉仕部のダブルミーニング。

3. 会議後、 コミュニティセンター vol.09, l.5085

八幡と雪乃のリカバリーは結衣といろはで。平塚は八幡コピーをした雪乃を理解しつつ懸念する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 平塚静

4. 長い一日を終え、 家の近所 vol.09, l.5161

折本は八幡の変化を指摘し自身の見識の狭さを悔いる。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 折本かおり
  • 聖地
    • 家の近所 : 道路の先に中学がある。幕張近辺の中学は幕張中学校、幕張西中学校、幕張本郷中学校など。

「でも、友達としてはちょっとありかな。ウケるし。」vol.09, l.5195

折本が八幡の告白を断った言葉は『うん、お友達でいてください』vol.01, l.1850 。折本は八幡を覚えていない。

5. 翌日放課後、 コミュニティセンター vol.09, l.5208

八幡「俺のほうがもっと一人でできる」として留美を手伝う。葉山はいろはの手伝いを断る。雪乃はいろはにリーダーを委譲する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 一色いろは, 鶴見留美
  • 言及される人物
    • 葉山隼人

「でもな、俺のほうがもっと一人でできる」vol.09, l.5233

ぼっちに声を掛けるときの八幡の解。葉山の留美への声の掛け方が 悪手、である。vol.04, l.1361 であった事との対比。

「あなたを推した人がいるのだから、それを信じていいと思う」vol.09, l.5338

雪乃の八幡への盲信。プロム編で雪乃から八幡への依存となるものだろう。

なおこの種の盲信は1巻に既に 「この男が試合を決めるから、おとなしく敗北なさい」vol.01, l.3422 として現れている。あるいは文化祭での失踪した相模の捜索や、修学旅行での嘘告白前の許可なども相当しよう。

10. それぞれの、掌の中の灯が照らすものは。

1. クリスマスイブ、 コミュニティセンター vol.09, l.5342

イベント準備。小町、戸塚、材木座合流。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 戸塚彩加, 材木座義輝
  • 言及される人物
    • 一色いろは

2. クリスマス合同イベント、 舞台袖 vol.09, l.5398

クリスマス合同イベント開始。海浜総合側も成功。いろははリーダーとして振舞い始める。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 一色いろは
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 川崎沙希, 川崎京華, 戸塚彩加, 材木座義輝, 葉山隼人, 副会長, 書記ちゃん

「最後のタイミング、副会長と確認しておいてくださいね。それと、ケーキの方もよろしくです」 / 「了解だ、会長」vol.09, l.5423

指示出し。いろはの生徒会長としての自立を示す。

3. クリスマス合同イベント、 コミュニティセンター vol.09, l.5425

『賢者の贈り物』。 鶴見留美主役。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 鶴見留美
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 一色いろは

4. クリスマス合同イベント、 コミュニティセンター vol.09, l.5450

エンディング、大団円。鶴見留美が人の輪の中に戻る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 川崎京華, 鶴見留美, 副会長
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 葉山隼人, 玉縄, 折本かおり

5. 冬休みの夕方、 奉仕部室 vol.09, l.5522

結衣と雪乃の八幡へのクリスマスプレゼント、湯飲み。雪乃「あなたの依頼、受けるって言ったじゃない」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 一色いろは

紙コップ代わりとはいえ、いただきものをして、へそを曲げるほど偏屈でも幼くもない。 / 「......ありがとな、湯呑み」vol.09, l.5557

こうわざわざ用意されてそれを受け取れないほど天の邪鬼でもない。vol.07, l.0259 との対比。いただきものをして感謝できる。

「あなたの依頼、受けるって言ったじゃない」 / 「なに、なぞなぞなの?」vol.09, l.5567

「本物が欲しい」。

「そうね、なぞなぞかも」vol.09, l.5568

本物とは何か、が。

どこを見るともない視線のまま、ぽしょりと / 「あたしは......、わかっちゃったな。......ヒッキーはわかんなくてもいいかもね」vol.09, l.5574

10巻以降への伏線と捉えるならば、結衣はここで

までもがわかっちゃった、かも知れない。

「ゆきのんは予定、......ある?」 / たぶんいつかクリスマスの予定を聞いたあの何気ない上っ面の会話のことを気にしているのだろう。vol.09, l.5580

「まだちょっと家の予定がわからないけれど」vol.08, l.4543