06.5巻 体育祭

06.5巻 体育祭

委員長の相模は委員会を分裂させ機能停止させてしまう。八幡らは解決を試みるが、相模自身のヒステリーにより委員会は冷静さを取り戻す。

6巻で描かれたサボタージュ対策の別解。熱意と共感による士気高揚を裏返したもの。

6.5巻は俺ガイル入門編、と言えよう。物語冒頭にキャラクター説明が含まれ、伏線とその回収が巻内で完結し、かつそのトリックの存在が明示され説明されている。齟齬や暗喩も逐一説明されている。アニメBD特典小説の再構成という執筆の経緯上か。

俺ガイル本編ではそれらのこの種のトリックは明示も説明もされない。気付かぬうちに仕込まれ、印象的かつ目的語を欠く言葉でその存在が暗示され、しかしその謎解きや説明はなされない。むしろそれがトリックであることに気付かれずとも構わない、といった態度を取る。

1. またしても平塚静は新たな命令を下す。

1. 文化祭後体育祭前の夕方。 特別棟の廊下, 奉仕部室 vol.06.5, l.0021

雪乃が奉仕部で紅茶を淹れ始める。八幡のコップがない。『千葉県横断お悩み相談メール』、海老名, 陽乃, 三浦。海老名は八幡と葉山が互いを意識している事に気づいている。雪ノ下姉妹の関係性は文化祭で前進した。三浦の依頼、未だ八幡の悪口を続けている相模の対策。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 雪ノ下陽乃, 三浦優美子, 海老名姫菜
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 相模南

「あ、ヒッキーの分」 / 「いや、俺は自前であるから」vol.06.5, l.0060

八幡はこの時点でカップを持っていない。 おかげであったかいMAXコーヒーが美味い。vol.06.5, l.4593常備してあった紙コップvol.07, l.0253 などを経て 「クリスマスプレゼント!」vol.09, l.5546 の湯呑みに至る。

「長いメール......。なんか、あたし今、相談内容思いついたかも」vol.06.5, l.0108

雪乃のメールの応答が短すぎる、だろうか。 「『そう』とか」 / 「『了解』とか」vol.02, l.0535

「比企谷くんに陰口を聞かせてくれるような人、いないもの」vol.06.5, l.0367

雪乃も結衣も陰口を言わない、の意を含むか。

「......実害なら、あるわ」vol.06.5, l.0385

結衣が 「悪く言われるの、やだし」vol.06.5, l.0353 と考えているということ。

2. 今再び城廻めぐりと巡り会う。

1. 放課後、 教室 vol.06.5, l.0403

川崎は八幡を、相模は三浦を避けている。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 川崎沙希, 三浦優美子, 相模南
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 海老名姫菜, 戸部翔

2. 放課後、 奉仕部室 vol.06.5, l.0470

めぐりが「比企谷」の苗字を覚える。めぐりの依頼、体育祭の目玉競技のアイデア出し、体育祭運営委員会の委員長の選定、赤組の勝利。雪乃案、相模南を委員長に充て、奉仕部が支える。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 三浦優美子, 相模南, 永山

「比企谷くんね。うん、ちゃんと覚えた。」vol.06.5, l.0593

めぐりにとって文化祭中の八幡は数十人いる実行委員にの1人に過ぎなかったということ。 「残念だな......。真面目な子だと思ってたよ」vol.06, l.2471 / 「やっぱり君は不真面目で最低だね」vol.06, l.4005

「また倒れるまで働く気かよ」 / 「ちょっと意外だったから」vol.06.5, l.0788

雪乃が意外に思う理由が不明。

但し少なくとも八幡は文化祭中雪乃のオーバーワーク自体を責めてはいない。

3. 思ったとおり、相模南は変わってない。

1. 翌日の放課後、 奉仕部室 vol.06.5, l.0848

葉山の介入により相模は委員長職を承認。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 相模南

2. 体育祭運営委員会会議、 会議室 vol.06.5, l.0923

体育祭運営委員会に参加。委員会は首脳部と現場班から構成される。平塚が担当。めぐりが奉仕部に相談したのは平塚の差し金。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 相模南

3. 一五分後、 会議室 vol.06.5, l.0977

相模、遅刻。議題は体育祭の目玉競技のアイディア出し。多くの案がしかし規制されている。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 城廻めぐり, 相模南, 遥, ゆっこ
  • 言及される人物
    • 大岡

4. 夕方、 会議室 vol.06.5, l.1095

アイディア出し失敗。八幡案、専門家の意見を聞いてみる。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 城廻めぐり, 相模南

5. ほどなくして、 会議室 vol.06.5, l.1186

八幡は材木座と海老名を呼び出しアイディア出しを依頼する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 材木座義輝, 海老名姫菜, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 葉山隼人

4. あくまでも雪ノ下雪乃は試し続ける。

1. 数日後の放課後、 体育祭運営委員会の会議室 vol.06.5, l.1243

材木座案、チバセン。コスプレ騎馬戦。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 材木座義輝, 海老名姫菜, 城廻めぐり, 相模南

2. 夕方、 会議室 vol.06.5, l.1331

海老名案、葉山大将で棒倒し。相模決裁で決定するも運動部主体の委員会現場班の協力が得られない。平塚が介入し会議を中断、めぐりと相談する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 材木座義輝, 海老名姫菜, 城廻めぐり, 相模南, 遥, ゆっこ
  • 言及される人物
    • 葉山隼人

3. 夕方、 会議室 vol.06.5, l.1498

平塚、相模に委員長職の進退を問う。雪乃は理詰めで自身への引継ぎを迫り、八幡は相模を蔑む。相模は八幡に反発して委員長職の継続を宣言する。雪乃、結衣、八幡はそれに応じてリカバリ。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 城廻めぐり, 相模南
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 戸塚彩加, 材木座義輝, 葉山隼人, 遥, ゆっこ

4. 夕暮れ、 昇降口 vol.06.5, l.1865

依頼は体育祭の成功とクラス内の雰囲気の改善の二つ、双方とも問題は相模。雪乃は自身が相模を追い込む事による八幡の介入を想定していた。相模は八幡への反抗で委員長職を継続した。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 葉山隼人, 相模南

「さがみん、ヒッキーに馬鹿にされるのが一番ムカつくみたい。」vol.06.5, l.1908

「なぜ相模は委員長職を受け入れたか」の謎解き。つまり、雪乃の 「ここで降りても構わない」vol.06.5, l.1694 等の裏返しの鼓舞を理解したのではなく、八幡の 「誰かになんか言われたくらいで変われるならそもそもこうなってない」vol.06.5, l.1754 に反発した、ということ。

本編ではこの種の謎解きは明示されない。

「ヒッキーが止めるのわかっててああ言ったの?」 / 「さぁ、どうだったかしらね」vol.06.5, l.1924

雪乃が相模を追い詰めれば八幡が制止する、八幡が制止すれば相模は反発し委員長職を受け入れる、と雪乃は考えて、その事を前提に雪乃は相模を追い詰めた、ということ。

八幡が雪乃を制する構図は、文化準備委員会から逃走した相模を追い詰める八幡と、八幡を制止する葉山の関係に相似する。あるいは八幡は雪乃が 倒れるまで働くvol.06.5, l.0786 事態になることを望んでおらず、雪乃はこれを信用したかも知れない。

5. 夜半、 比企谷宅 vol.06.5, l.1929

雪ノ下の思う奉仕部の理念は「いくら救いようのない者であっても、救われたいという意志がある限りにおいては手を差し伸べる」。小町も八幡もは評定点が不足するので一般受験。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町, カマクラ
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 材木座義輝, 遥, 相模南, ゆっこ

「右が壊れたら左、そっちも壊れたら打者転向」vol.06.5, l.2040

体育祭でのサボタージュ対策の正答。相模を委員長に選んだ理由は 「相模がウザい」vol.06.5, l.0279 程度であるので、委員長を変えればよかった。相模が壊れたら葉山、そっちも壊れたら戸塚。

6. 真夜中、 比企谷宅 vol.06.5, l.2089

八幡は小町に相互確証破壊を説く。八幡は奉仕部がいずれ失われると考えている。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣

「やりたいことも、あるしさ」 / (奉仕部は) 「何かあれば即消滅だろ」 / 「小町が頑張って総武高入んないと!」vol.06.5, l.2194

「小町がやりたいこととは何か」。

解が1エピソード内で明示されている。本編ではこの種の係り受けの様な構造が章や巻を跨いで発生する。

5. 以上のことから、比企谷八幡は予感する。

1. 昼休み、 教室 vol.06.5, l.2199

相変わらず相模は八幡への悪口を吹聴している。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 三浦優美子, 戸部翔, 相模南
  • 言及される人物
    • 葉山隼人

2. 昼休み。 廊下, 自販機前 vol.06.5, l.2258

葉山は体育祭の委員長に相模を推薦したことを詫びる。葉山はカードにはなり得るが相模と現場班の軋轢の解決が必要。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 葉山隼人
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 三浦優美子, 相模南

3. 体育祭運営委員会開始前、 体育祭運営委員会の会議室 vol.06.5, l.2347

めぐりは相模に衆人環視下で現場班に謝罪させる。しかし相模は「部活のほうの負担にならないようにする」という言質を与える。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり, 遥, ゆっこ, 相模南

相模の言は自己弁護と同時に大義名分を振りかざした糾弾にしか聞こえなかったし、遥とゆっこの弁明は部活という盾をうまく使って言質を引き出した形にしか見えない。vol.06.5, l.2403

それぞれ下記。

4. 体育祭運営委員会、 体育祭運営委員会の会議室 vol.06.5, l.2410

雪乃と結衣とで現場班の反論を封じる。雪乃案、工数削減とシフト導入。委員会を再起動させる。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり, 遥, ゆっこ
  • 言及される人物
    • 平塚静

5. 先日の会議からいくばくかの時間を経て。 会議室, ピロティの広く取られたスペース vol.06.5, l.2467

シフト導入は人員の稼働を意味しない。現場班の連中が結衣に声をかけ、結衣は三浦を男除けに使う。結衣は八幡との作業を喜ぶ。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 雪ノ下雪乃, 三浦優美子, 戸部翔

「そういうこと言いたかったんじゃないんだけどなぁ」 / 「別に一緒になんかするのなんていつでもできる」vol.06.5, l.2681

八幡は結衣の好意的な表現を回避し続ける。 「こういうの、いいよね」 / 「どこが......」「なんか、青春っぽい」 / 「社畜もいいところだろ、こんなの」 等々。そして結衣が引くと追う。

6. 夕方、 会議室 vol.06.5, l.2690

相模は仕事をするが能力がない。現場班のモチベーション低下により実行委員会は遠からず破綻する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 雪ノ下陽乃, 葉山隼人, 城廻めぐり, 相模南

7. 朝。 下駄箱, 廊下 vol.06.5, l.2765

八幡の下駄箱にゴミが入れられている。八幡は戸部の下駄箱に入れなおす。戸部は騒ぎを拡散する。遥、ゆっこが相模を無視する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 由比ヶ浜結衣, 葉山隼人, 三浦優美子, 戸部翔, 相模南, 遥, ゆっこ

(下駄箱のゴミについて騒ぐ戸部に対して) 聞いていた葉山が急にその表情を硬くした。vol.06.5, l.2831

不明。戸部に騒がせる方法を考えたか。

6. それでも、城廻めぐりは見てくれている。

1. 午前中、 教室 vol.06.5, l.2906

三浦と相模の不仲が続く。相模は人を避け始める。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 葉山隼人, 三浦優美子, 海老名姫菜, 遥, 相模南, ゆっこ

2. 体育祭運営委員会議、 会議室 vol.06.5, l.3004

相模や首脳部への反感を遠因として、現場班は騎馬戦に異を唱える。相模は事態を収拾できず、めぐりが対応を宣言し、雪乃が理詰めで鎮静化させるが、それは本質的な収拾ではない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり, 遥, ゆっこ, 相模南
  • 言及される人物
    • 平塚静

3. 会議後、 会議室 vol.06.5, l.3200

騎馬戦への異論は相模への反感に由来する。であるから理詰めには効果がない。結衣案、相模が委員長を辞める。雪乃・めぐり案、現場班側を折る。説得や構成員入れ替えは解にならない。八幡案、相互確証破壊。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり, 相模南
  • 言及される人物
    • 遥, ゆっこ

「相互確証破壊ってやつだよ」vol.06.5, l.3400

伏線の回収。 相互確証破壊vol.06.5, l.2144

全編を通して小町や材木座は八幡に解法を伏線として示す。但し本編ではこの様に意味の強い単語を用いない。

「比企谷くんって、やっぱり最低だね。」 / そして、くすっと悪戯めいた微笑を浮かべた。vol.06.5, l.3452

「やっぱり君は不真面目で最低だね」vol.06, l.4005 の反復。めぐりから八幡への態度、理解が反転したことが明示されている。

6.5巻のみならず俺ガイルではある人物からある人物への思惑や感情は全編を通して変化し続ける。しかし本編ではそれらは明示されず、かつ読者が受けるその人物らの印象とは一致しない。端的には雪乃と陽乃はお互いに好意を持っているし、八幡と葉山は相互に理解している。がこれらは明治されない。

4. 翌日放課後、 教室 vol.06.5, l.3454

チバセンの衣装作成を川崎沙希に依頼。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 川崎沙希

5. 放課後、 会議室 vol.06.5, l.3546

棒倒しの大将が葉山と戸塚に決定。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 海老名姫菜, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 戸塚彩加, 材木座義輝, 葉山隼人, 戸部翔, 相模南

どうしようもない柔道大会vol.06.5, l.3554

未だ、彼らは帰るべき場所を知らないvol.07.5, l.1772 のこと。

7. そして、最後の会議が踊りだす。

1. 数日後、会議前、 会議室 vol.06.5, l.3691

最終的には相模任せ。平塚は八幡らを見守る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 相模南
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 川崎大志, 材木座義輝, 海老名姫菜

2. 体育準備委員会会議、 会議室 vol.06.5, l.3761

八幡案、体育祭の開催を人質として、より多数派すなわち生徒全員に現場班を攻撃させる選択肢を示す。委員会は紛糾し、しかし相模のヒステリーにより醒める。収束。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 平塚静, 城廻めぐり, 遥, ゆっこ, 相模南
  • 言及される人物
    • 川崎沙希

企画会議の折にも、この手の配慮によっていくつか企画が潰されていた。vol.06.5, l.3858

伏線の回収。 「それだと部活に入っていない生徒が参加できなくて不満が出るから、配慮がなぁ」vol.06.5, l.1037 / 「生徒個人の所持品を扱うと紛失や破損のトラブルに繋がることも多くてな」vol.06.5, l.1046

「遅刻とかしてたくせに......」vol.06.5, l.3929

伏線の回収。 それでもまだ会議が始まっていないのは相模が遅れているからだvol.06.5, l.0981

そもそもの問題は感情論から端を発している。なら、それを覆すのもまた感情論でしかありえないのだ。vol.06.5, l.3985

伏線の回収。 理詰めのやり方は論理的に考える人間にしか通用しないvol.06.5, l.1649 。逆に言えば八幡案の相互確証破壊は首脳部と現場班の対立の解決に直接には寄与していない。

以上、伏線の回収が連続する。考えずともカタルシスが容易に得られる構造であって、6.5巻は俺ガイルの入門編という位置づけなのだろう。

3. 数日後、 会議室 vol.06.5, l.4004

八幡が救護班を立ち上げる。結衣が放送に三浦を充てる。相模は三浦との距離感を学習した。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 三浦優美子, 相模南
  • 言及される人物
    • 川崎沙希, 材木座義輝, 海老名姫菜, 戸部翔, 城廻めぐり, 遥, ゆっこ

「お前、どこ行ってたんだ」 / 「もしかしてあたしがいないの気にして捜したりしてた?」 / 「仕事もしねーで何してたんだっつー意味で言ったんだよ」vol.06.5, l.4037

齟齬が明示された例。本編では会話に齟齬が生じていてもまず言及されない。

いつだかの教室でも見たような気がする光景だ。 / だが、このあとがそのときとは違っていた。vol.06.5, l.4104

もし、変われるとしたら手段は一つ。 / 何度も何度も痛い目を見て、心に消えない傷を刻みつけて、その痛みからの回避本能によって、結果的に行動が変化するだけだ。vol.06.5, l.0778 の回収。相模は痛い目を見て行動が変化したということ。

8. だから、彼らの祭りは終わらない。

1. 体育祭当日。 校庭, 運営のテント vol.06.5, l.4127

体育祭当日。めぐりの依頼、今年で最後なので絶対勝ちたい。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 戸塚彩加, 戸部翔

2. 体育祭、午後、 救護班のテント vol.06.5, l.4187

赤組が敗色濃厚。雪乃は負けず嫌い。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃
  • 言及される人物
    • 由比ヶ浜結衣, 材木座義輝, 葉山隼人, 戸部翔

3. 体育祭、午後、 校庭 vol.06.5, l.4232

チバセン。雪乃、結衣、めぐり、三浦、川崎、海老名、でコスプレ。川崎・海老名製。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 川崎沙希, 材木座義輝, 海老名姫菜

4. 体育祭、午後、 校庭 vol.06.5, l.4320

雪乃が三浦を騎馬上で空気投げ、赤組勝利。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 川崎沙希, 三浦優美子, 海老名姫菜, 戸部翔, 大岡, 大和, 城廻めぐり
  • 言及される人物
    • 平塚静, 葉山隼人

ほとんど触れていないにもかかわらず、人を投げる雪ノ下の得意技だ。vol.06.5, l.4393

体捌きだけで人を投げた......vol.07.5, l.2936 の反復。

5. 体育祭、午後。 救護班のテント, 入場門 vol.06.5, l.4406

八幡、準備。戸塚が学ランを着る。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 戸塚彩加, 材木座義輝, 三浦優美子, 海老名姫菜

6. 体育祭、午後、 校庭 vol.06.5, l.4446

棒倒し前。材木座が演説。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 戸塚彩加, 材木座義輝, 海老名姫菜
  • 言及される人物
    • 葉山隼人

7. 体育祭、午後、 校庭 vol.06.5, l.4513

八幡案、材木座を囮にしてチーム偽装した八幡をさらに囮にして材木座。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 戸塚彩加, 材木座義輝, 葉山隼人, 海老名姫菜, 戸部翔, 大岡, 大和

「我が人生に一片の悔いなし.........む、無念、ぐふっ」vol.06.5, l.4536

ツッコミ不在。結局悔いはあったりなかったり。

こいつも結構屈折していると思うんだよね。vol.06.5, l.4572

この時点で葉山が強く関わるエピソードは2巻のチェーンメールや職場見学、4巻のキャンプ、6巻の文化祭。これらのいずれかで葉山が屈折しているということ。おそらくは全て。

8. 放課後、 奉仕部室 vol.06.5, l.4593

棒倒しは反則や危険行為によりノーゲーム。全体として赤組敗北。雪乃も結衣も八幡のチーム偽装を見ていた。八幡はまだ紙コップ無し。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 城廻めぐり, 相模南

「相模さんにも何か思うところあって、ああいう発表をしたのでしょうし」vol.06.5, l.4648

あえて蓋をし、見て見ぬふりをすることもできるようにはなるのだろうvol.06.5, l.4652 。単純には八幡を扱うことから逃げた。

9. 放課後、 特別棟の廊下 vol.06.5, l.4669

相模は八幡との距離感を獲得する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 相模南
  • 言及される人物
    • 遥, ゆっこ

「ねぇ、そこ、どいてくんない」vol.06.5, l.4680

三日月のように細まり歪め曲げられた瞳には俺への侮蔑と嘲笑が込められている。vol.06.5, l.0410 などからの変化。相模が嫌いな人間を他人として扱える様になったということ。

ぼーなすとらっく!そのクリスマスキャンドルの灯が揺れる時......。

1. クリスマス前 vol.06.5, l.4719

八幡はこれまでクリスマスを楽しんだことがない。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡

2. 冬休み、クリスマスイブ、クリスマスイベント当日、日没後、 奉仕部室 vol.06.5, l.4739

八幡らは翌日クリスマスパーティーの約束をする。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷小町, 戸塚彩加, 戸部翔

3. クリスマスイブ、 比企谷宅 vol.06.5, l.4945

八幡は小町にプレゼントを渡す。小町は結衣に翌日の詳細を聞く。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 川崎大志, 比企谷父, 比企谷母

4. クリスマス当日、朝、 ショッピングモール vol.06.5, l.5026

クリスマスパーティー。集合。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 戸塚彩加, 材木座義輝
  • 聖地
    • ショッピングモール : トイザらスが存在することから、イオンモール幕張新都心。イオンモール幕張新都心は2013/12/20開業、6.5巻2014/07/22発刊。

5. クリスマス当日。 ショッピングモール内, ザらス vol.06.5, l.5175

小町曰く子供の頃の八幡は可愛い。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 戸塚彩加, 材木座義輝
  • 聖地
    • ザらス : トイザらス。

6. ザらス vol.06.5, l.5263

平塚合流。交換用プレゼント選び。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 平塚静, 戸塚彩加, 材木座義輝

7. ショッピングモール vol.06.5, l.5419

交換用プレゼント選び。小町解、消え物がいい。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 比企谷小町
  • 言及される人物
    • 戸塚彩加

8. ショッピングモール vol.06.5, l.5443

結衣は八幡の誕生日プレゼントにお返しができていない。八幡「お返しにお返ししてたらいつまでたっても終わらん」結衣「終わらなくても、いいと思うけど」。結衣は雪乃の誕生日プレゼントの購入に八幡を誘い、八幡は承諾する。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町

いつだか一緒に出かける約束をしていたがvol.06.5, l.5499

「じゃあ、今度ハニトー奢ってもらうことにする」vol.06, l.3080

9. 集合時間、 ケーキ屋 vol.06.5, l.5592

八幡は交換用のプレゼントと「ちょっとしたもの」を購入。戸部がケーキ屋でバイト。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 平塚静, 戸塚彩加, 材木座義輝, 戸部翔
  • 言及される人物
    • 海老名姫菜

10. ショッピングモールを出た後、 駅前のカラオケルーム vol.06.5, l.5827

プレゼント交換。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣, 比企谷小町, 平塚静, 戸塚彩加, 材木座義輝
  • 言及される人物
    • 一色いろは, 戸部翔
  • 聖地
    • 駅前のカラオケルーム : 海浜幕張駅。ビッグエコーもしくは歌広場。

11. 夜、 公園の中の道 vol.06.5, l.6050

八幡は雪乃と結衣を送る。八幡は二人に湯呑みの礼のシュシュを渡す。結衣がブルー、雪乃がピンク。雪乃、「メリークリスマス」。

  • 登場人物
    • 比企谷八幡, 雪ノ下雪乃, 由比ヶ浜結衣
  • 言及される人物
    • 比企谷小町
  • 聖地
    • 公園の中の道 : 幕張海浜公園内。大通りとは公園大通り。横断歩道も実在する。

届かない祈りも、かなわない願いもきっとある。 / ただ、それを静かに、白い息とともに吐き出すことも今日くらいは許されるだろう。 / その吐息が、誰かのともしびを揺らすことも、きっとある。 vol.06.5, l.6131

俺ガイル結は結衣視点でのこのシーンから始まる。

概ね、「いつもは届かず叶わない雪乃の八幡への好意を」「吐き出すことも今日くらいは許され」「それに結衣が気付いた」ルートが、俺ガイル結。 気づいてしまった。 / ずっと前から、好きだったんだ vol.Y01, l.0187