06巻 文化祭

06巻 文化祭

9月。 八幡は雪乃に関する誤解を解く。雪乃は八幡に救われ、しかし八幡は誰でも救ってしまうと誤解する。

前半、第一部完、である。八幡、陽乃、雪乃が担うそれぞれの物語が完結あるいは大きく展開する。

やはり海老名姫菜のミュージカルは腐っている。vol.06, l.0021

海老名姫菜による星の王子さまの翻案をクラスの文化祭の演目とする。海老名はクラスでリーダーシップを取る。

星の王子さま

本編中には「星の王子さま」の引用が数か所に存在する。例えば その後をぱたぱたと騒がしい足音が追いかけてきた。振り返るまでもなく誰の足音かわかるvol.06, l.0738自らの境遇に酔って、自分は重要な人物だと叫んで、自分の作った規則に縛られてvol.06, l.3577 など。

本作品は著作権(翻訳出版権)により2005年までその翻訳の多様性が議論・修正され得なかったことでも有名である。本作は どうにも判断に困るvol.06, l.0731 とある通りの、ファンタジーとも執筆当時の世界情勢の暗喩とも取れる、多義的な解釈が可能である。が、この原作の多義性に反して、日本では翻訳出版権により翻訳出版が岩波書店にしか許されず、著作権の切れた2005年以降に多数の別訳が出版された経緯がある。であるから、本作について八幡が言及する 腑に落ちない点vol.06, l.0731 が、訳者による誤訳や解釈の相違である可能性もひどく大きい。

あとがきに引く集英社文庫版も2005年以降の別訳の一つである。私感では、最小限の誤訳を補間し、しかし保守的に寄った訳、という印象である。

なお、「ミュージカル」は実在するマンガ原作ミュージカル「ミュージカル テニスの王子様」、略称テニミュ、のパロディ。

リーダーシップ論

雪乃、めぐり、海老名、陽乃、にはリーダーシップの典型が描かれている。 雪乃、めぐり、海老名はリーダーシップの典型である。 参照。

嵐の中、比企谷八幡は滑り続ける。vol.06, l.0091

奉仕部では会話が続かない。鬱屈している。

八幡も雪乃も会話を続けられない。

鬱屈の理由は雪乃と八幡で異なる。雪乃は、交通事故について黙していた、 接し方がわからないがゆえの距離感と警戒心vol.05, l.0256 によるもの。八幡は、「雪乃は嘘を吐かない」と理想を押し付けていた自己嫌悪により、雪乃を避けている。いずれにせよ相互理解ができていないだけで単純に会話を繰り返す事で慣れる性質のもの。

「……私は鍵を返しに行くから」vol.06, l.0245

この後部室の鍵の返却を通して雪乃と平塚が話した可能性がある。少なくとも部室の鍵は平塚の管理下にある。 「彼女は、自由参加になっても毎日鍵を取りに来ていたよ」vol.08, l.2599

強烈に相模南はアピールする。vol.06, l.0277

八幡・相模南・雪乃らがクラスの文化祭実行委員に選ばれる。城廻めぐりは生徒会メンバに対してリーダーシップを発揮する。

相模は承認要求を充足すべく実行委員長に就任する。リーダーシップに欠ける相模に平塚は奉仕部を紹介する。

やはり海老名姫菜のミュージカルは腐っている。2vol.06, l.0670

雪乃は奉仕部の活動を一時中止する。その後相模の依頼に応じて文化祭実行委員会の副委員長に就く。

八幡も結衣も雪乃の行動に違和感を覚える。結衣は八幡に雪乃を助ける様に念を押し、八幡が雪乃を助けることを確信する。

「文化祭実行委員会のことなら多少の勝手はわかっているから。」vol.06, l.0879

「私は、姉さんが今までやってきたことなら大抵のことはできるのよ」vol.06, l.3422 。文化祭での陽乃を見ていたということ。

世界が滅んだ後の廃墟にそっと日差しが降り注ぐような、怖いくらいに美しく、ひどくもの悲しい景色だった。vol.06, l.0889

世界が終わったあとも、きっと彼女はここでこうしているんじゃないかvol.01, l.0118 との対比。八幡にとって奉仕部の活動の一時中止が世界の終焉にも擬え得るということ。

「いつものゆきのん、あんな感じじゃないし」vol.06, l.0900

「私個人でやることだから。あなたたちが気にすることではないでしょう」vol.06, l.0875 など、すなわち雪乃の単独行動に対する違和感。より根源的には雪乃が八幡や結衣らに距離をおいていること。

「ゆきのんが困ってたら助けること」 / 「できる範囲でな」 / 「そっか、なら安心だ」vol.06, l.0986

「ゆきのんが困ってたら、助けてあげてね」 / 「それはないんじゃねぇか」vol.05, l.2147 を引く。雪乃に踏み込む意思を持たない場合の応答は 「それはないんじゃねぇか」 。これに比して、「出来る範囲でな」 は、少なくとも自らは踏み込む意思がある、という表明である。。

通常の「できる範囲で」は「何もできない」を意味する。孤立する留美について葉山の 「可能な範囲でなんとかしてあげたいと思います」vol.04, l.1564 など。

「ヒロインを自分の好きな子にするのだけはやめとけ。 / まず自分を主役にするな」vol.06, l.1038

伏線。相模が失踪に至る思考、あるいは失踪先の特定方法。相模の思考がその程度に幼稚であるということ。

最近は正統派主人公よりも敵役やライバル系キャラのほうがおいしいし、かっこよくて人気出るvol.06, l.1043

材木座による斜め下解法の示唆。文化祭実行委員会のサボタージュの止め方。 「正解はね、……明確な敵の存在だよ」vol.06, l.2434

いきなり雪ノ下陽乃は強襲する。vol.06, l.1067

雪乃はリーダーシップと事務能力で相模を圧倒する。

海老名は川崎のリクルートとモチベートに成功する。

雪乃が委員長ではないと知った陽乃は相模にサボタージュの理由を与える。相模は文化祭実行委員会にサボタージュを広げる。

地域賞を創設し商品を出す。vol.06, l.1082

地域賞は雪乃が創設したもの。よって陽乃はその存在を知らない。

「なー、由比ヶ浜」vol.06, l.1208

八幡は海老名には直接声をかけない。川崎には直接声をかけることができる。

「クラスの企画申請書、書くのもうちの仕事だからさ〜」vol.06, l.1253

相模は書かない。 それは相模が書いて出す、という話だった気がするが……vol.06, l.1794

「あれ、比企谷くんだ、ひゃっはろー!」vol.06, l.1316

ひゃっはろー初出。なおこれ以前に陽乃は結衣の「やっはろー」を聞いてはいない。

俺を八幡と呼んでいいのは両親と戸塚だけだ。vol.06, l.1330

つまり材木座は八幡と呼んではいけない。

「静ちゃんの差し金か」vol.06, l.1399

陽乃が八幡と雪乃にある何らかの事情を知っていて、かつそれが平塚と共有されているということ。

「部活には居づらくなってるだろうし」vol.06, l.1406 / 「うまくいかなかったみたいだけど」vol.06, l.1410

少なくとも陽乃が奉仕部の中断を知らない事を示す。発言の真意には二通りの解釈があり得る。

「陽乃は雪乃が事故の当事者であることを八幡らに故意に明かした」という解釈は成立しない。なぜならば 陽乃さんも笑いを引っ込める。 / 申し訳無さそうな声。 / 取り繕うように言い添える。 / ほっとしたような表情を見せる。vol.05, l.2061 等は陽乃の故意であるとは解し得ない。

一方で陽乃の「ミスを収拾する様な振る舞い」は他にも本文中に複数存在する。6巻中以外では 「やるじゃん、名探偵。大正解」vol.13, l.3205

陽乃さんの残した結果から逃げてしまえばいっそ楽だろうに。彼女のプライドが、あるいはそれ以外の強い感情が、それを許そうとしない。vol.06, l.1419

「それ以外の強い感情」とは、 「私も、ああなりたいと思っていたから」vol.06, l.3222 。率直に言えば こいつ、陽乃さんのこと結構好きなんだよな……vol.A2, l.3159

「本当にいいこと言うね〜」vol.06, l.1457

皮肉。あるいは想定外の展開を制御下にあると見せる為の言動。陽乃は有志団体で文化祭に参加するべく相模を籠絡した。このときに 「文化祭を最大限楽しめる者こそ委員長にふさわしい資質」vol.06, l.1357 という言葉を用いた。この結果、相模は文実メンバー全体にサボタージュを広げる。

であるとして、陽乃が文化祭準備委員会に積極的に参加する理由は、単純に雪乃の負荷軽減だと考える。陽乃自身のミスにより雪乃の作業量が倍増してしまったために、陽乃と葉山とで雪乃の負荷を調整している、のだろう。だがしかし雪乃はその過負荷の収拾を陽乃に課された課題、教育、として受け取る。 陽乃は雪乃を教育している。 参照。

ほんわかと城廻めぐりは翻弄される。vol.06, l.1543

実行委員会がサボタージュで瓦解する。

葉山は雪乃に「他人を頼れ」として、文化祭準備委員に有志団体側として参加する。

「ならそっちでやろうよ。ここ騒がしいし。」vol.06, l.1879 / 「なんだと? いいから早く直す!」vol.06, l.1891

結衣の会議室に移った以降の機嫌が悪い。恐らくは文化祭実行委員会のサボタージュの現状に憤っている。 「あたし、ちょっと怒ってるからね」vol.06, l.2162

いつになく、由比ヶ浜結衣は憤る。vol.06, l.2015

雪乃、過労。結衣と八幡は雪乃を見舞い、雪乃の専制的なチームマネジメントがかつての雪乃の手法と異なる事を指摘する。

八幡は相模ら実行委員にサボタージュを指摘し雪乃を助ける。雪乃はそれを機にサボタージュを終わらせ、マネジメント法も変化させる。雪乃と八幡は互いの隔意の解消に向けて歩み寄る。

サボタージュの解決を受けて陽乃は相模の自己嫌悪を煽る。

「正しいやり方を知っているの?」vol.06, l.2183

雪乃が、相模らのサボタージュに対して、正しいやり方があると想定している、ということ。つまり雪乃が現状を何らかの問い、試験、だと考えているということ。

少なくともサボタージュに対してリーダーシップ程度で取り得る対策はまずない。

一つやたらと異質だったのが『八紘一宇』。うわぁ、書きそうな奴に心当たりがある……。vol.06, l.2264

大日本帝国の海外侵略のスローガン。意図不明。「ONE FOR ALL」「一人はみんなのために」「ともに助け合う」を 類語辞典vol.06, l.2381 的に表現したものか、雪乃がその種の侵略思想を是とするという表現か、炎上を意図したものか。

「バカだ、バカがいる!」 / 陽乃さんは大爆笑しvol.06, l.2397

陽乃が八幡の「よく見たら片方楽してる文化祭」の意図が相模のサボタージュの指摘であることを理解した表現。かつ、そのスローガンに意図があることを周囲に喧伝する行動。八幡のサボタージュの指摘、雪乃の負荷軽減、に協力する行為。

「なら、もう一度問い直すしかないわね」vol.06, l.2375

複数の意味を持つだろう。

まず、文化祭準備委員会のマネジメント方針が変わる。 陽乃は雪乃を教育している。 参照。

雪乃が奉仕部を率いる理由、自らのアイデンティティ、をも問い直す。雪乃の視点では、 「却っ下」vol.06, l.2338 が俺ガイルの前半の終了を示す言葉であって、その後半を始める言葉、である。 「だから、これで終わりにしましょう」 参照。

それじゃあ相手も言い訳できないじゃないvol.06, l.2365

6巻前半を通して語られなかった雪乃の行動には「言い訳」すなわちその理由が存在する、ということ。 雪乃の言い訳 参照。

「あなたを見ていると、無理して変わろうとするのが馬鹿らしいことに思えてくるわ」vol.06, l.2385

「変わらなければ前には進めない」vol.01, l.0367 を引く。雪乃からすれば八幡への隔意を解消する行為。

雪乃は陽乃に頼る自己からの脱却を模索している。かつ、他人の自己変革を促すことを自身の寄る辺としている。しかし八幡は雪乃を陽乃のみならず誰にも頼らせないまま、雪乃に自己変革を起こさずに、雪乃を救った。

だから、もう一度、問い直そう。 / 正しい答えを知るために。vol.06, l.2398

雪乃の 「もう一度問い直すしかないわね」vol.06, l.2375 の繰り返し。

八幡のこの「問い」と、雪乃の「もう一度問い直すしかないわね」の問いはそれぞれ異なる。

八幡の「問い」は雪乃の人となりについて。つまり 知りたいとは思わないvol.05, l.2261 を撤回すること。雪乃への憧れの破棄。

今まさに総武高校は最高にフェスティバっている。vol.06, l.2569

9/14(金)。文化祭当日。

雪乃と八幡はインカム経由で馴れ合う。相模は挨拶に失敗する。

星の王子さまミュージカルの初演に成功する。相模は疎外感を覚える。

結衣曰く、雪乃は何かを話そうとしているから待つ。八幡にはこっちから行く。八幡はそれに応えて結衣との距離感を一歩踏み込もうとする。

漆黒を引き裂くようなスポットライトを浴びる行為は、その者がその他大勢とは大きく違うことを示唆する。 / ゆえに、そこに立つべき者は特別な存在であるべきだ。vol.06, l.2579

陽乃は スポットライトを一身に浴びるその場所こそは彼女にふさわしい。vol.06, l.3225

八幡は スポットライトのあたるステージは俺の居場所じゃない。vol.06, l.3456

「ヒッキーが知りたいことは何も聞いてないよ」 / その最後の一言は少し突き放したような言い方だった。vol.06, l.2867

八幡には雪乃について知りたいことがあるということ。 俺は……もっと知りたいとは思わない。vol.05, l.2867 という態度が八幡が自分を偽る行為だということ、その態度を結衣が察しているということ。

「ゆきのんは、たぶん話そう、近づこうってしてるから。」vol.06, l.2874 / 「待たないで、……こっちから行くの」vol.06, l.2883

人間関係における雪乃の稚拙さは未成熟によるもの。八幡のそれは自意識過剰によるもの。

「今度ハニトー奢ってもらうことにする。千葉の、パセラで」vol.06, l.2933

この約束は この時期のランドはあれだが、隣りのわりかし新しいほうはどうなんだろうなvol.09, l.4011 を経て、 「ヒッキー、デートしよう!」vol.11, l.3400 へ続く。

それが優しさや親切心からではなく、もっと違うなにか別の感情に起因するものだとすればなおさらのこと。それは人の弱みにつけ込む行為だから。 / だから、もう一歩くらいは、踏み込んでも、いいのだろうか。vol.06, l.2943

「だから」。順接。結衣に一歩踏み込むことが、結衣の弱みにつけ込む行為にはならない、ということ。単純に言えば結衣が八幡を好きであることは自明だとして、八幡が結衣を好きだと認めた表現。

「いつにする?」 / 「ちょっとよく考えさせてください……」vol.06, l.2951

「二人で遊びに行くのも叶えてね」 / 「……そのうち、適当にな」vol.04, l.3137 との対比。

かつては結衣の好意を 本物と認めることはできない。vol.03, l.2781 として拒絶し、 すぐ「適当に連絡くれ」って言う奴はだいたい次から誘われなくなる。vol.04, l.2034 としていた。

八幡にとっては「考える」という表明、躊躇する、という行為自体が一歩踏み込んだ行為である。さらに、 「どっか遊び行くっつったらどこいく?」vol.06, l.2956 として、その日の夜、小町に遊びに行く場所を訪ねている。

その先に雪ノ下雪乃が見つめる人がいる。vol.06, l.2957

9/15(土)。文化祭二日目。

雪乃と八幡は監視を理由に文化祭を一緒に回る。

陽乃はOGOBオーケストラを指揮する。雪乃曰く、「ああなりたいと思っていた」。

「久々の再会はハグ」vol.06, l.2978

小町は理想解の提示役。相模の様に拗ねて逃げた人間を呼び戻す手段の理想解。但し相模に対して八幡では恐らく効かない。

今日は一人なのねvol.06, l.3047

文化祭初日には雪乃は八幡と結衣とを見て去っている。 顔を上げた時に、視線が一瞬こちらに向けられる。が、すぐに逸らすとそのまますたすたと歩いていってしまった。vol.06, l.2859

Mambo!vol.06, l.3202

ウェストサイドストーリー。

そしてそれぞれの舞台が幕を開ける。vol.06, l.3229

エンディングセレモニーを前に相模が失踪する。雪乃案、雪乃が陽乃を含めて周囲を頼り、時間を稼ぎ、八幡がその間に相模を捜索する。

八幡は相模を発見する。葉山らも参入するが相模を動かせない。八幡は相模を煽り被害者に変える。これにより相模は戻る。

結構本気の敵意を雪ノ下に向け / 「別に、あんたのためじゃないかんね」vol.06, l.3318

三浦はこれ以上葉山に雪乃の味方をさせたくない。

葉山は基本的に三浦よりも雪乃に味方する。 「優美子、やめろ」vol.04, l.1740 など。

「俺も今日はいいところを見せたいからね。」vol.06, l.3328

葉山のいいところを見ていない代表的な人物は陽乃。 葉山と陽乃が相模を失踪させた。 参照。

「この私に、貸しを一つ作れる。これをどう捉えるかは、姉さん次第よ」 / 「成長したのね」vol.06, l.3397

雪乃と陽乃が別人格である、雪乃は既に陽乃を追っていない、という宣言。さらに 「あなたを頼らせてもらっても、いいかしら」vol.06, l.3439 / 「頼ってもらって、構わない、から……」vol.06, l.3448 と同じく、頼るという関係を対等な関係と捉える、ということか。

「あなたを頼らせてもらっても、いいかしら」vol.06, l.3439

「今すぐは、難しいけれど。きっといつか、あなたを頼るわ。」vol.06, l.2215 の回収。雪乃は他人に頼れる様になったということ。であればその契機は恐らく 「なら、もう一度問い直すしかないわね」vol.06, l.2375 として問い直した結果。

相模が望む言葉など決して言うまいと。vol.06, l.3599

相模の望む言葉を言わない理由は単に復讐で良いだろう。

八幡はその通り相模が望む言葉は言わない。八幡の相模像が正しいとするならば、相模の自尊心、階級意識、自己評価、承認欲求、等々を満たす応答が望ましい。典型例は例えば

飢えたように貪欲に音を刻むベース、気まぐれに跳ねるドラム、生真面目なギター、大切に歌うボーカル。vol.07, l.3726

ベース静、ドラム陽乃、ギター雪乃、ボーカル結衣。キーボードめぐり。

7巻収録のエピソードの章題と、 打ち鳴らす手が、踏みしめる足がvol.07, l.3726 からして、 Queen の We Will Rock You.

ようやく彼と彼女は正しい答えを見つけ出す。vol.06, l.3755

相模らにより八幡の悪評が広がる。雪乃・陽乃は八幡の行為を理解する。平塚は八幡の方法論を否定する。

八幡と雪乃は互いの隔意を解消する。

「本当に、誰でも救ってしまうのね」vol.06, l.3827

雪乃は失望している。八幡はかつて交通事故で八幡は結衣を救ったが 「由比ヶ浜だから助けたわけじゃない」vol.03, l.2775 とした。そして八幡は今度は(救う必要のない)相模を救った。

すなわち、八幡が雪乃を文化祭実行委員会のサボタージュから救ったことについて、雪乃だから助けたわけではない、誰かを救ったに過ぎない、と雪乃は理解している。これが後の 「いつか、私を助けてね」vol.09, l.4194 に繋がる。 「だから、これで終わりにしましょう」 参照。

「今日のこと、お母さんに話したら驚くだろうなぁ……、ね?」vol.06, l.3869

雪乃は4巻以降八幡や結衣に隔意を持っている。文化祭終了を以てこの隔意は解消される。これには陽乃あるいは雪ノ下家の干渉が疑われる。 雪ノ下家は雪乃を隔離した 参照。

「誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」 / 「君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気づくべきだ」vol.06, l.3883-

7..9巻の伏線。

問い直して、新たに導き出した答えはちゃんと結論になっている。vol.06, l.3947

もう一度、問い直そう。正しい答えを知るために。vol.06, l.2398 を引く。どこで問い直したか、どういう答えを得たか、は不明。雪乃は「友達」としているが、八幡と雪乃でその答えが同じか否かは不明。

「...でも、今はあなたを知っている」vol.06, l.3971

八幡の元である 「あなたのことなんて知らなかったもの」vol.01, l.0846 が叙述トリックであった、という謎解き。 「雪ノ下雪乃ですら噓をつく。」はまちがっている。 参照。