やはり一色いろはの倫理観は壊れている。
「あざとかわいい」の先駆者。責任おばけ。作者曰く「世界一かわいいクソ女」。14巻で自称するには八幡ほどクズじゃないらしいけれどもどーだか。渡航様はいつだか八幡に張るクズとして設定したって言ってた。あるいは少女マンガの主人公のテンプレを醒めた目で見た姿ではある。
ずっといろはは葉山と八幡と二股してると思ってた。そしてアニメ派のひとに自説述べたら叩かれまくって結構なとらうまだったり。このサイトがまともに私の連絡先記載してないのはそのせい。アニメとラノベでは描写違うし齟齬もまあ起きるよと今なら思えるけれど。
雪乃や結衣はテンプレ設定というかどこかからの引用感のあるキャラクター設定だけれども、いろは(と相模)は本当に俺ガイル独自のキャラクター、な感じがする。「あざとかわいい」と「クズ」の組み合わせがこんなに生き生きとするとは。作者様の人物観察眼ほんとすごい。
「もちろん、わたしのためです!」
vol.12, l.2535 という行動原理が大好きすぎる。他人を幸せにすることを自分の幸せに換算できる彼女の態度はポジティブ心理学的、マズローの要求段階の上のほう的、にはとても正しい。金で買える種の幸福感、期待効用には上限があって、ある程度以上の所得の人間が幸せになろうと思うなら自身の充足を他者に求めるしかない。と私は知っているだけで、よーするに誰かを幸せにしてそれで自分も幸せになる、なんて境地には私は至れないのよね。だからいろはのこのスキルにはとても憧れる。
「いろはは八幡を好きなのか」は true だとして、じゃあどう好きなのか、は難しい。私の先入観では、いろははやっぱり八幡と同じくらいにクズで、責任おばけで、だから責任を回避できる範囲で好き、だと思ってる。十分に仲がいい集団だと、恋人がいる異性にちょっかいかけるのは楽しい、から。彼や彼女はどうせ自分を向かないので失敗しても自分は傷つかないし、もし自分に振り向いてくれたなら自分には「まさか本気になるとは思わなかった」とかいう言い訳がある、という奴。大学のサークル内で彼女作ると妙にモテ始める現象。
つまりいろはは「八幡が雪乃への責任お化けだから好き」なのであって、だからどこかでいろはが「自分は本当に八幡が好きなんだ」とか気付いて辛い思いする、みたいなテンプレイベントがあるかもしれない。どーせ八幡も読者も気付かないけど。というか「どうしても、一色いろはには確かめたいことがある。」がそうだったかもしれない。
生徒会長選は大事になる前に各方面に相談してる。クリスマスイベントも「海浜総合やばい」と思ったら即八幡に泣きついてる。アンソロ4球技大会も事前段階。14.5のいろは小町の解放も八幡らの引退が7月だとして2ヶ月早い。「問題は問題にしない限り問題にならない」は八幡の言葉だけれど、いろはは問題が問題になる前に対処ができる。超有能な上司タイプですよこれ。なんなら「問題を問題にされない様に秘匿していざという時に問題化する」という手段を使える。超有能な下剋上型官僚タイプですよこれ。だからいろははきっと八幡の奉仕部引退とか卒業とかに向けて何か隠し持ってるよたぶん。なんならたぶん次回プロムではVIPルームは既に生徒会長が確保してるよ。でも八幡のイデミスギノのエヴェレストムースメンタルの前に敗北するけど。あー、美味しくて好き。
「人の気持ちどころか自分の気持ちも踏みにじるカス」
vol.14, l.6123 に対して、 「わたしのためです」
vol.13, l.1209 と 「諦めないでいいのは女の子の特権です!」
vol.14, l.6147 の組み合わせ、がいろはが到達したポジションだ、とした。
つまり、一色いろはは、八幡の、八幡らの「まちがい」にどこまでも付き合っていける。踏み躙られるその「たった一つの正解」を示し続けることができる。恐らくはそれは本編中では平塚が担っていたポジションである。けれど、少なくともアンソロ4を見るに、そのポジションはいろはが後継する。
つまり、一色いろはは、プロム篇、高校生のたかだか1ヶ月間都合のいい女になったところで、八幡のまちがいが致命的だったその瞬間に、結衣や雪乃が諦めたその瞬間に、勝者となり得る。
つまり、雪乃がコピー能力持ちで結衣がキャンセル能力持ちであるなら、一色いろはの能力は不死。全てのダメージを「へー」の一言で回復させる。一色家はたぶん十師族。なにそれ意味わかんない。
いろはすが興味なさげな応答した会話群。まだあるかも。
つまりいろはすは誰かから八幡への好意、八幡の行動、金、には全く興味がない。
「雪ノ下先輩って眼鏡してましたっけ?」/
「ブルーライトカットよ」/
「へー」/
心底興味なさそうな返事するな、こいつ……。vol.10, l.1453
「てことは先輩は文系なんですかー?」/
「まぁな」/
俺が答えると一色はまたしても「へー」と超興味なさそうな返事をする。vol.10, l.1491
「今ちょっとヒーターが調子悪いのよ」/
「へー、そうなんですねー」vol.10.5, l.1522
「小町ちゃんはね、ヒッキーの妹」/
一色はまったく興味なさそうな顔でほーんとかはーんみたいな声を出した。vol.11, l.0338
「別に味の感想聞いたわけじゃないんですけど」/
口ぶりこそ興味がなさそうだったが、ちらと向けられた瞳には答えを待っている色がある。vol.11, l.1824
「そういえば、あたし比企谷にあげたことあったっけ?」/
一色はへーと興味深そうにほんほん頷いているvol.11, l.2248
「わたしがプロムの話し、しなければ拗れなかったのかなって」/
「こっちこそ悪いな。なんかごたついてて」/
一色はぶらぶらと身体を揺らして、興味なさげな間延びした声を出す。vol.13, l.1140
「あのババアなんか言ってました?」/
「雪ノ下がちゃんと対応してる、大丈夫だ」/
「へー」vol.14, l.2928
「つまり、協力者によっては通常の会費設定より多く払ってくれることもあるんだよ」/
「へー」vol.14, l.5632
「小さい頃の兄はそれはもう可愛くて……」/
「うわー……。興味ないけどちょっとだけ見たい」vol.14, l.6099
「ていうか、お米ちゃんはそれでいいんですか?」/
「小町は小町で考えていることがあるのですよ」/
「いや実際興味が」vol.14, l.6157
「誰ですか?」/
「川崎大志。川崎の弟だ」/
「へー。……いやまず川崎が誰」vol.A2, l.2868
「お兄ちゃん、これ、アレだね」/
「アレってなんですか?」/
「「四月病」」/
一色に至っては「はぁそうですか」と興味なさそうに言ったきりvol.A2, l.2939
「これどうしたんですか?手作りですか?」/
「あ、あたしが、いちお、作ったんだけど」/
一方、一色は「へー」と、毛ほども興味がないという感じの声で適当極まる返事をした。vol.A4, l.3155
「兄は今日、雪乃さんママとお食事に行くとかなんとか」/
「へぇー」vol.N1, p061
「とんだ泥棒猫がいたものね」/
「ちょっと目を離したらとっちゃうかも」/
一色はへーと遠巻きに眺めているvol.N4, p.079