誰がチェーンメールを送ったか?
それは静と私が言った。
なぜならばチェーンメールが始まった時点でグループ分けが三人一組であることを知り得るのは平塚のみであるから。
より正確には、自グループの仲を気にした葉山が、その件を平塚に相談し、平塚もしくは葉山が結衣にのみチェーンメールを送った上で、平塚は葉山を奉仕部に向かわせた。
「メールが送られ始めたのはいつからかしら?」/
「先週末からだよ。な、結衣」vol.02, l.1018
昨日帰りのHRで担任が言った「職場見学」のグループ分けvol.02, l.0669
「うわ、それだ。グループ分けのせいだ」vol.02, l.1035
グループ分けの人数がチェーンメールの動機であるなら、チェーンメールの開始は、グループ分けの人数の告知の後でなければならない。しかしチェーンメールはグループ分け告知の前に始まっている。矛盾している。
よって、上記整理した三点のいずれかがまちがっている。それぞれ、
登場人物の全てが正しい事を語っているとするなら、あるいはメタではあるが「結衣は正しい」に従えば、1. と 3. は無いとして、2. 犯人は平塚だと考える。
ただしそもそも「動機はグループ分けだが理由はその人数ではない」、葉山の言う通り「犯人を探す」事自体がまちがっている、そもそも犯人推定を想定していない、解ける様に書かれていない、などの可能性はある。
結衣の言う通り、4人組のうち1人が除外されるとその除外された本人は辛い、だろう。
ここで、チェーンメールの目的は、その除外される誰かが他人を貶めようとした、だけではない。犯人が平塚(や葉山)であるなら、その除外される誰かの疎外感に配慮して、3人1組という枠組みを覆すべく企んだもの、となるだろう。
チェーンメールの送信者は誰でも良い。結衣のアドレスを知っているなら平塚である必要はない。
チェーンメールの送付先は結衣のみで良い。実際に三浦も海老名もチェーンメールに反応しない。
よって、葉山と平塚の間にあったシーケンスは、例えば、
だろうか。
なおこの時点で陽乃の干渉はない。陽乃は八幡らを、奉仕部の存在をまだ知らない。