案の定川崎沙希は気付かれていない。

案の定川崎沙希は気付かれていない。

理解されないことへの嘆きと諦め、そして理解してもらいたいという願いがあるように俺には思われてならない。vol.02, l.2652

本文中では、川なんとかさんの性格設定は、 理解されなくとも諦めも嘆きもしないvol.02, l.2653 雪乃、 理解することについて諦めることも逃げることもしないvol.02, l.2655 結衣、と対比される。

けれども、この時点での八幡は、理解してもらいたいという願いを持ちつつ、それを既に諦めている、あるいは拗ねている。八幡が「諦めた」のは折本が直接的な理由であるから、沙希の性格設定は、折本と出会わなかった場合の八幡、なのでしょう。

つまり八幡は優しくされても信じないけど沙希は優しくされるとちょろい。けど八幡はそれにどこまでも気付かない。折本がそれに気づかなかった様に。

八幡の結衣の扱いは酷い。八幡にはその自覚はないが、それでも結衣の反応は描かれる。けれど川崎は結衣と等しく惨く扱われ、しかしその反応が描かれない。 「どうでもいい相手なら傷つけたことにすら気づかない」vol.09, l.2785

川崎大志は川崎大師で川崎京華は川崎競馬。たぶん。

八幡は川崎にどこまでも気付かない

「サンキュー!愛してるぜ川崎!」vol.06, l.3554

八幡は雪乃にさえ率直な愛の言葉は口にしていない。

文化祭以来、川崎の調子はずっとあんなもんで、絶対にこちらには近づいてこないし、視線が合っただけで露骨に顔を背けるのだ。そうそう、それでいい。vol.07, l.0156

よくない。

「ひ、ひきたにってあれのこと?む、むりむりむりむり!」vol.07, l.3164

名前も正しく把握してるし。

「あたしの意見なんていらないでしょ」 / 「俺には必要なんだよ」 / 顔を背けてストローを吸った。そっぽ向いてるせいか、空のコップからずずーと音がする。疲れてんのかしら。vol.07, l.3252

照れてるし。

「あんたはあの部活でやってるほうが……、合ってるし」「最近らしくなかったから思っただけ」vol.07, l.3266

よく見てるし。

「たまにはっていうか。あんたいつもそうじゃん」 / 「……自覚無いんだ」vol.12, l.1441

いつも見てるし。