アンソロジー1 雪乃side
本稿では渡航氏による著編のみ言及する。
話者は雪ノ下父。経営者かつ県議で理性と自意識の化け物だが元ダメ人間。
雪乃父が八幡に似る。それを通して雪ノ下家に婿入りした場合の八幡の将来の姿を描く。
新設定、伏線回収、が多数存在する。
時折、思い出したようにスマートフォンを手にすると、ふっと柔らかな笑みを浮かべ、いそいそと何やら打ち込み始める。vol.A1, l.3197
八幡との連絡先の交換は俺ガイル新。 「あと、それ後で送っといて」
/ 「それで、あの、あれだな、送り先......」
vol.N2, p.039 。
話者は雪ノ下父。雪ノ下母、陽乃、雪乃のガールズトーク。陽乃は留学志望。雪ノ下母は割と他人の判断を尊重する。雪乃の一人暮らしは交通事故と陽乃からの隔離が原因。雪乃「重いって思われたら」「困る」。雪乃は六月半ばに八幡を雪ノ下父に紹介する。雪ノ下母による攻略法「その手を全部潰すしかないわね」
ご飯行ったんだしvol.A1, l.3236
拝啓、質問と沈黙の多い料理店より。
vol.N2, p048 のこと。
「もっと専門的なこと勉強したいし、できれば一年くらいは行くつもり」vol.A1, l.3318
直接的には陽乃が実家から開放されたことを意味するだろう。更には恐らく享楽的で自棄的だった陽乃が自分に対して投資する行動をとる事自体が、八幡と雪乃が示した結論に陽乃が救われた、という描写である。
なお陽乃が通うと思しき千葉大学は2020年度入学生から海外留学を必修化する。
人に貸せばそこそこ良い値がとれる物件だが、そんなものより雪乃の笑顔のほうが価値がある。vol.A1, l.3358
物件とは海浜幕張駅近くのタワマンの中上層階。つまり雪乃の笑顔は月あたり数十万円の価値がある。ある。ある。
あるいは言い換えれば賃料だけで陽乃の留学代は軽く出る。
『マンション、買いましたので』『名義、変更しましたから』『定期に入れてても仕方ないので米国債に変えましたよ』vol.A1, l.3364
「キャッシュだけならあちらのほうが多いでしょう。」
vol.10, l.3414 と合わせ、雪ノ下家が十分に成功した企業創業者一族であること、その正しい運用の典型、さらに恐らくはその運用を指南するプライベートバンカーがついている事、を示す。
一般に、十分に成功した創業者一族は
であるので、典型的に、
という運用指針。
それらから遠ざける意味もあって、彼女に一人暮らしを勧めた。vol.A1, l.3377
陽乃の設定。陽乃の言は信用がならない、ということ。
陽乃の理解は、雪乃が 「一人暮らししたいって言い出した」
/ 「父が喜んじゃってあのマンション与えたの」
vol.05, l.2026 。陽乃は自身から雪乃を隔離する為に雪乃が一人暮らしした(勧められた)とは考えていないか、隠しているか、無意味に嘘をついている。少なくとも陽乃による雪ノ下家像は疑う必要がある。
その他、さらに、 「本当はもうちょっと上行きたかったんだけど親に言われてねー」
vol.05, l.2088 と言いつつ 「大学の授業が一コマいくらか一度計算してみなさい」
vol.A1, l.3402 と諭されていること、5巻の陽乃は 「わたし、誕生日遅いんだ」
vol.05, l.2074 と言いつつ、誕生日は 7月7日
vol.06, l.2115 であること、などと合わせ、5巻の花火大会の1エピソード中にこれ程の矛盾が含まれているのなら、これらの矛盾は著者の故意だと見るべきだろう。
「単位は落としてないんだからいいでしょ別に」/「進級するのには問題ないから!」vol.A1, l.3398
陽乃の優秀性の表現ではある。取得容易な単位の情報が入る程度に人付き合いをうまくやっていること、容易に単位を取得できる程度に余裕があること。
面倒だって思われたり、重いって思われたら、......困るvol.A1, l.3466
「重っ」
vol.14, l.5122 を引くだろうか。
自分でからかっておいて、そのくせわざわざ慰めるなんて愛情表現が歪みすぎている。vol.A1, l.3479
陽乃の行動原理。例えば 自分でからかっておいて
は共依存の指摘、 わざわざ慰めるなんて
は代償行為であることの指摘。
これまでも 自身が大切にしているものを、もうこれ以上誰にも傷つけられないようにと、先んじて自分で傷付ける。
vol.13, l.3372 、 この姉妹は、対立することがコミュニケーションであり、敵対することがエデュケーションなのだ。
vol.14, l.6267 などと表現されてはいる。
「外堀埋められた隙に内堀堀り始めるような子だし。」vol.A1, l.3483
八幡の 外堀こそ埋めたものの、未だ内堀は健在なのだ。
vol.14, l.6611 との対比。単に言葉遊びだろう。
だったら、その手を全部潰すしかないわね/「雪乃ちゃんの逃げ道から潰さないと」vol.A1, l.3495
同じく八幡の いろんな予防線とか言い訳とか建前とか、わかりやすい肩書とか
、 それを全部潰す
vol.14, l.4337 を引く。但しこの言葉は雪乃母や陽乃は聞いていない。雪乃及び雪ノ下家と八幡とが似た者同士であるということ。
「六月半ばなら会いているからそこにしましょう」/「雪乃ちゃん、ああやるんだよ。」vol.A1, l.3539
『だから、金曜日にしておいたから。』
vol.08, l.1849 、と同種。