結2巻 マラソン大会
1月。 雪乃と結衣に交際の噂が立つ。三浦優美子は八幡に警告するが、八幡は雪乃の結衣といずれも選べない。その八幡を葉山と結衣の策が救う。
Interludevol.Y2, l.0020
話者は結衣。日記を書く。言葉を探す。
日記自体は 来年の目標決まり。忘れないように日記に書く。
(vol.Y1, l.1174) の回収。
ほんとの言葉って難しい。/それを探すために書いているのかもしれない。vol.Y2, l.0050
「言葉を探す」は俺ガイル結のモチーフ、本編との差異の根本、だろう。
小学館によるコピーは「だから、これは、秘めた本当の気持ちを、言葉にして伝える物語」。とはいえ結2巻時点で言葉にするのは葉山のみ。しかもまだ伝えてはいない。
「聞こえてなかったや。これ、のいきゃん?だから」vol.Y2, l.0063
ノイズキャンセラーは一般にノイズだけをキャンセルしてノックや声は通す。つまりノイズキャンセラーは効いていない。笑うところ。あるいはそれだけ集中していた表現。
意地悪く、葉山隼人は比企谷八幡に笑いかける。vol.Y2, l.0083
クラス。八幡と結衣の距離が近い。1/2の八幡、結衣、雪乃、葉山、(陽乃)の件が噂になる。
「似合うな、それ」vol.Y2, l.0158
八幡が薦めたもの。 「まあ、よく似合ってるし、俺はそれでいいと思うけど」
vol.Y1, l.2818 。
あはっとはじけるような爆笑を浮かべた。vol.Y2, l.0448
葉山が 他校の男子
vol.Y2, l.0395 が八幡であることに気付き、噂の真相を理解した表現。
この爆笑についての八幡の主観は 邪悪すぎません?
vol.Y2, l.0536 や 嘲笑とか哄笑
vol.Y2, l.0937 である。だが、三浦の理解は 「楽しそうっていうか」
vol.Y2, l.0935 。相反する両者がともに正しいとすれば、葉山は八幡を揶揄できる材料が手に入った事が嬉しい。あるいはさらに陽乃と共有できる話題が。
当たり前のように、一色いろははそこにいる。vol.Y2, l.0583
奉仕部室で雪乃の誕生日パーティー。いろは、マラソン大会後の打ち上げを計画。
「ゆきのん、お誕生日おめでとー!」「おめでとさん」「おめでとうございますー」vol.Y2, l.0649
当たり前のように、一色いろははそこにいる。
「噂、か。因果なものね」vol.Y2, l.0729
雪乃と葉山と陽乃の小学校時代の諍いの詳細は13巻を参照。 「小学校の時、彼女が孤立していたのは知ってるか。」
/ 「中途半端に手を出して、余計に傷を広げたんだ」
vol.13, l.3081
「来月は来月でイベント考えてたりするんで」vol.Y2, l.0803
「やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。続」の特典に収録されている八幡とのデートのことだろう。
結2巻はTVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」の円盤特典、俺ガイルanotherが元となっており、これらは執筆時期が近い。なおOVA脚本のノベライズが10.5巻の きっと、一色いろははお砂糖とスパイスと素敵な何かでできている。
vol.10.5, l.0740 として収録されている。
10.5巻に収録のフリーペーパー自体は 「今年は生徒会の予算が意外と余ってるらしいんですよ」
vol.10.5, l.1655 によるものであって、かつ ごりごり予算使い込みたい
と矛盾する。
また11巻のチョコレート作りイベントは八幡の発案によるものであって事前の計画はない。この時点でいろはが計画している可能性はある。
間が悪く、比企谷八幡は葉山隼人に声を掛ける。vol.Y2, l.0910
噂に関しての三浦優美子の警告と回避法、八幡に「ちゃんとしろ」。八幡は回避。葉山は特に噂には対応しない。
本編と異なり進路は話題にならない。
「珍しかったから。隼人があーやって笑うの。」vol.Y2, l.0935
三浦らに見せる葉山の表情は仮面であることの描写。本編 10 巻の手記各編にて独白される通り。
「だかんさ、ちゃんとしてくんない?」vol.Y2, l.0951
八幡は結衣か雪乃かと交際を宣言しろということ。
「優美子も心配してるんだよ」
vol.Y2, l.0960 の三浦優美子の心配とは、
「雪ノ下さんも同じ部活じゃね?」vol.Y2, l.1553 と気付いた様に誰かがそれに気付けば
「寝取り寝取られ振り振られだよ」vol.Y2, l.1671 という噂の対象になる
ということ。三浦優美子の依頼とはこの警告と回避法。
しかし八幡は三浦優美子の心配も依頼も理解した上で、その解法に同意しない。八幡が「ちゃんとしない」、雪乃や結衣に好意を表明しない理由は 「しょうがないだろ。好きなもんは好きなんだから」
vol.Y2, l.3844 。
俺の手を掴んだのは猫の手である。vol.Y2, l.1136
由比ヶ浜からのプレゼント
vol.Y1, l.2841 で選んだもの。 冷静な顔しながら、内心ウキウキで手袋嵌めそうな気もする
という地の文が正しい。
「こういうポーズを取っておくと、向こうもなにかしなきゃいけない気がするでしょ」vol.Y2, l.1148 /「待っている間、寒そうだし」vol.Y2, l.1155
雪乃は本当のことを言わないことがある。であればこのマッ缶は、雪乃と結衣が結託して、八幡に温かい物を渡すべく、買っておいたもの。
返報性の原理みたいなことだろうかvol.Y2, l.1148
「返報性の原理」はマーケティング用語。意味は雪乃の台詞の通り。
「……大変だな」/言われた葉山は一瞬だけくしゃりと顔を歪める。vol.Y2, l.1237
葉山の孤独の表現。 軽口叩いてからかってやるのも優しさかもしれないが、生憎とそういう仲でもない
であるから、八幡は葉山に対する正答を理解していて、しかし故意に選ばない。
それは今朝がた見た爆笑よりボリュームこそ小さいが、込められた悪意はけた違いだ。vol.Y2, l.1262
八幡は結衣や雪乃の噂を放っておけないこと自体は否定しない。葉山はそれを笑って、あるいは喜んでいる。
どうにか、できればよかったのにな……vol.Y2, l.1277
小学校時代の雪乃をめぐる諍いのこと。 「それを俺はどうすることもできなかった」
Vol.13, l.3232 を引く。
いつでもどこでもどんなときも、戸部翔は戸部翔である。vol.Y2, l.1281
噂が拡散する。戸部は結衣の周辺がざわついていることを指摘する。戸部は葉山の多面性を見抜いている。相模は噂の拡散に関与しない。
「好きな人と組めと言われたからといって、別にそういう意味でお主と組んでいるわけではないからな」vol.Y2, l.1349 /いつまでも過去にとらわれていても仕方あるまいvol.Y2, l.1371
本編では材木座は八幡のまちがった解法を示す。が、今回の解法には適合しない。理由不明。なお結1巻には材木座は登場しない。
俺にしてはずいぶんと素直な答えが口を衝いて出てきたものだ。vol.Y2, l.1448
俺ガイル結シリーズを通して、八幡には素直な応答が多い。本編での10巻は八幡が他人とコミュニケーションを取る様になる話であったので、結シリーズは既にその成長を終えた後である、ということかも知れない。
俺が息を詰まらせた理由は由比ヶ浜がモテるという事実、それ自体ではない。もっと別のものだ。vol.Y2, l.1553
緑色の目をした化け物
とは green eyed monster, 嫉妬。
由比ヶ浜が誰かと付き合う姿は自分でもびっくりするくらい簡単に想像できた。
vol.Y2, l.0571 と合わせて、俺は多分、知らないことが増えてしまうのが嫌なのだ。
vol.Y1, l.1058 で良いだろう。
「参考に聞いときてぇじゃん?どうすればそうなるのか。」vol.Y2, l.1553
戸部が結衣と八幡の関係性を把握しているということ。
「そうなる」とは、他の男子に人気のある結衣が、八幡に好意をもっていて、けれど八幡はそれに明示的に答えない、という状態のこと。戸部はそれを海老名を口説く参考にしたい。
そういえば、そんな意識高い系男子がいた記憶がある。vol.Y2, l.1716
喫茶店にて折本とマラソン大会打ち上げの相談。雪乃と八幡は結衣を気にかけることで合意。いろは、八幡にデートコース考案依頼。折本と玉縄と会話。
他にもっといい言葉があるような気がしたがvol.Y2, l.1865 /やれるだけのこと、というのが果たしてどの程度のものかは解らないvol.Y2, l.1873
雪乃は八幡に結衣と一緒にいることを期待している。八幡はそれを躊躇する。
なお本編であっても雪乃は八幡に関して結衣には嫉妬しない。少なくとも描写されない。
「一緒に来たの?」/「はい。ですね」/「そうそう、お店入ろうとしたらばったりvol.Y2, l.1886
矛盾。いろはと結衣の何らかの結託があるか、八幡と雪乃の会話を盗み聞きしていたか。
「安パイ……」「伏兵……」vol.Y2, l.1975
雪乃も結衣も八幡を巡り互いには嫉妬しないが、いろはには嫉妬する。
「これ、男物もあるんですか?」vol.Y2, l.2108
意図不明。いろはによる八幡の制服姿への言及は結2巻内にはない。ただ話を展開させたのみか。
あいつ、いつものが何かさっぱりわかってねぇな……vol.Y2, l.2132
俺ガイル結の特色だろう。本編ではこの種の説明はされない。
当然のことながら、平塚静にも十七歳だった頃がある。vol.Y2, l.2156
結衣が誰かに告白される。平塚は八幡に雪乃の代わりに結衣を選んでも良いとする。
見過ごすことも見逃すことも見落とすことも慣れているはずなのにvol.Y2, l.2258
俺ガイル本編の構造。本編では事件のきっかけ、真相、は描かれることがない。本編であれば結衣が告白されるシーンに八幡が立ち会うことはまずない。
そこにあったのは見慣れない光景だった。vol.Y2, l.2291
本編と同様に平塚は学期末で異動するのだろう。
もう選んだのか?/「……なにを、ですか」vol.Y2, l.2319
「……」とあるので、八幡は平塚の意図を把握している。
いつだかの折本かおりと一緒の帰路で投げかけられた呟きに似ていてvol.Y2, l.2320
じゃあ、どっちが好きなの?
vol.Y1, l.1151 のこと。
わかっていたつもりで何一つできはしなかった。その背中を押してもらった。vol.Y2, l.2445
モクテルは結衣との関係性の比喩。八幡は手に入らない雪乃の模造品として結衣を選択したが、しかしこれまで何もしていない。
「それこないだのお返しな」vol.Y2, l.2476
「待っている間、寒そうだし」
vol.Y2, l.1155 。深い意味はなかろう。
メンタルの強さには定評のある俺である。vol.Y2, l.2513
ない。適当ぶっこいてる。
毎度のことながら、比企谷小町は兄のことをよく見ている。vol.Y2, l.2532
いろはは現状維持の努力を応援する。葉山は八幡を見透かし当てこする。小町は八幡に川崎沙希京華のクッキーを渡す。
規模感ちょっと落としたんでvol.Y2, l.2589
本編に比べて例えば陽乃が不参加。
はっ!今生徒会室で二人きりなのが噂になって既成事実作ってわたしに意識させたのち口説くつもりですか。その作戦には見習うところが多くて今度使わせてもらおうと思いますけどその結果次第で無理ですごめんなさいvol.Y2, l.2574
俺ガイル結2は本編10巻と同時期。いろはは八幡に対してまだ距離感がある。
「当たり前じゃないって気付いちゃったので」vol.Y2, l.2603
当たり前のように、一色いろははそこにいる。
vol.Y2, l.0583 との対比。
本編と異なりいろはは進路相談会について奉仕部の協力を得られていない。本編では平塚経由で奉仕部に発注していた。
いろはすの俺理解度がなかなか高いな。vol.Y2, l.2566 /お互い性根が捻じ曲がっているせいか、俺の賛意は正しく伝わってしまったらしい。vol.Y2, l.2599 /同じく捻じ曲がった性根を持つ相手に、俺のすっとぼけは通用しないらしい。vol.Y2, l.2612
いろはが八幡の思考や行動を概ね理解している。本編ではプロム編での理解度に相当するか。
その当たり前を守ろうって頑張る人も結構かっこいいと思いますけどね。そんなの見たら応援したくなっちゃいますよvol.Y2, l.2619
雪乃であれば 「私はなるべく由比ヶ浜さんと行動することにするわ」
vol.Y2, l.1866 。いろははこれを聞いているということ。
あるいは結衣であれば 「一緒に来たの?」
/ 「はい。ですね」
/「そうそう、お店入ろうとしたらばったり
vol.Y2, l.1886 が示す結託。詳細不明。
葉山であれば噂を収拾させるためにマラソン大会の表彰式を行うこと。であれば 「この喜びをどなたに伝えたいですかー?」
vol.Y2, l.3189 は仕込み。
意地があるんだよ、男の子にはな!vol.Y2, l.2708
結1巻で二人乗りした際にも 男の子の意地も手伝い
vol.Y1, l.1352 とある。
ここいらで目立つのはサイゼの建物と国道を渡るための陸橋くらいしかない。vol.Y2, l.2727
稲毛海岸公園。「お前の人生歪める権利を俺にくれ」の陸橋。であるから八幡と葉山が場所を移動した理由は単にファンサービスだろう。
「ケリをつけるだけなら、俺と協力せずとも、もっと簡単で確実な方法があるんじゃないか」vol.Y2, l.2760
八幡が雪乃か結衣と交際を宣言すればよい。
それがわかっていながら、俺はあえて問題視した。vol.Y2, l.2800
ハブだとかいじめだとかは案外、些細な悪ノリが引き返せないところまで発展した結果だったりもする。vol.Y2, l.1709
噂話の厄介なところは必ずしも悪意が介在しているとは限らない点だ。vol.Y2, l.0513
などの、「だったりもする」、「限らない」という文末が「あえて問題視」している表現。
ただ一つの不都合な真実を覆い隠すためだけにvol.Y2, l.2811
「ただ一つの不都合な真実」は、この時点の八幡の 事情
vol.Y2, l.2777 のこと。結衣や雪乃との関係性はいつか終わるから、雪乃の紛い物として結衣を選ぼうとして、しかしそれを認めることができず、他人に言い寄られる結衣に嫉妬もする。より単純化すれば八幡が雪乃を好きでけれど言葉にできていないこと。本編10巻以降の八幡の立場と概ね同様。
三浦優美子のちゃんとしろという真摯な言葉を混ぜっ返して曲解した。/
海老名姫菜の物言いたげな表情に気付いていながら見過ごした。
「噂をどうにかしろってことでいいのか」vol.Y2, l.1002
葉山隼人の問いかけをすっとぼけてお茶を濁した。
「放っておけないか。『他校の男子』としては」vol.Y2, l.1260
平塚静の優しい説教を己の都合よく解釈した。
見せかけさえも取り繕えない紛い物を、認めることができるなら。vol.Y2, l.2436
一色いろはの違和感まじりの呟きをお為ごかしで聞き流した。
「ずっと続くと思ってたんですよね~」/
ここで黙ってしまえばそれを認めてしまう気がしてvol.Y2, l.2608
そのうえ、二人で楽しく買い物までしに行くんだからな。vol.Y2, l.2825
「八幡、デートしよ」
vol.Y2, l.3243 。
「お兄ちゃんは、自分が思ってるほどかっこよくないんだよ?」/「でも、そういうお兄ちゃんだからこそ、できることがあるのです」/「見てる人はちゃんと見ているものですよ」vol.Y2, l.2932
小町は八幡が取れない解法を提示する。しかし結2巻においては「怪我をした姿で」「結衣に支えられる姿を周囲に見せる」という解は、ここで小町が提示する解法と等しいと思われる。
本編では、材木座はまちがった解法を示し、八幡は材木座の解法を採り、小町が八幡が採らない正しい解法を示す。俺ガイル結での八幡は、本編と異なり、材木座が提示する解法を採らず、小町が提示する解法を採る、のかもしれない。
「沙希さんと京華ちゃんからだよ。こないだのお礼だって。」vol.Y2, l.2914
ある意味、川崎大志は大物である。
vol.Y1, l.1583 で大志と話した件。
であれば、俺もきっちり返そう。受け取った想いに見合うものを。vol.Y2, l.2937
結衣ルート選択の意思。
であり一方でそのきっかけになった川崎沙希のクッキーやそれに込めた想いは無視される。川崎沙希の想いは全編を通して顧みられる事がない。
舞台は整い、スタートの号砲は鳴らされる。vol.Y2, l.2943
マラソン大会。八幡は葉山を当てこする。葉山は優勝し、三浦と陽乃とに言及し、噂を収束させる。結衣が八幡の傷を消毒し、傷と寒さとを理由に寄り添って歩く。保健室で雪乃と合流。
本編と異なり八幡は戸塚の協力を得ない。
なんで頑なに俺の名前呼ばないんだろうなvol.Y1, l.2980 /こういう時の気遣い、痛み入ります。vol.Y1, l.2985 /だがまあ、気合いは入った。vol.Y1, l.2989
八幡からそれぞれいろは、結衣、雪乃への好感度の対比。雪乃だけが圧倒的。
そうだろうな、お前が聞きたいのはこんな一般論の振りした言葉じゃない。わかってる。vol.Y1, l.3073
正しい。
本編10巻に比して結2巻では八幡は葉山の思考の推測を間違えない。本編10巻は八幡が葉山の進路の推測をまちがえる話だった。
君はそんなやり方をする必要ないだろvol.Y2, l.3083
「君がすべきなのはそんなことじゃないはずだ」
vol.13, l.3280 を引くだろう。
さらに君「は」であるので、葉山もそんなやり方をしている、つまり葉山も陽乃に対して想いを直接言葉にせずに回りくどいやり方をしている、ということ。具体的には 8巻の 「俺がやりたいことをしただけなんだ」
vol.08, l.2394 として、陽乃に見える様に折本らを罵ったこと、など。
その他プロム篇の引用が多数。葉山が八幡の同位体
vol.03, l.0015だということ。
「その程度で済む感情なのか?たった一言に押し込めて納得できるのか?」vol.Y2, l.3103
「一言程度で伝わるかよ」vol.14, l.4347
「理解できないな。けど、共感はできる。」vol.Y2, l.3119
酷く共感できて、けれどまったく理解できないお前だからvol.13, l.3292
ある一点においてだけは、爽やかな聖人君子らしからぬ仄暗い執着心を覗かせる。vol.13, l.3086
陽乃。
いつだか、あの人が葉山隼人に言ったようにvol.Y2, l.3096
「なんでもそつなくこなす人間なんて面白味がない」
は、「なんでもそつなくこなす人間なんて、面白みがないじゃない?」
vol.08, l.2502 の反復。
せっかく一緒に出掛けたのに、他の奴と買い物してるのを黙って見送る気分に近いな
vol.Y2, l.3078 は そのうえ、二人で楽しく買い物までしに行くんだからな。
vol.Y2, l.2825 への当てこすり。
同じく 「そういう返事、葉山らしい」
も 「そういう返事、隼人らしい」
vol.Y1, l.3086 の反復。
端的には男二人で(言葉で)殴りあって友情を深めている。
本人が一番言われたくない言葉をわざわざ選ぶのが、雪ノ下陽乃のやり方だ。vol.Y2, l.3107
陽乃の設定開示。「共依存」が典型。
彼女も、そうなのかもしれないな……vol.Y2, l.3122
「彼女」とは誰か、「そう」とは何か、は解釈多数。おそらく現時点で同定不可能。少なくとも 「陽乃さんに伝えたいですね」
vol.Y2, l.3206 に至った直接的な理由である。
あるいはさらに「マラソンで勝っていろはと三浦に感謝してみせる」という解法について、「どこか悲しげに見えた。
vol.Y2, l.2834 であった葉山を、 「もう、覚悟は決めた」
/ 絶対の自信がこもった笑みで言うと
vol.Y2, l.3140 に変えたきっかけでもある。
「表彰式、楽しみにしといてくれ」vol.Y2, l.3139
本来、マラソン大会ごときに表彰式なんてないのだが
vol.Y2, l.3164 と矛盾する。つまり葉山は表彰式があることを少なくとも大会前に知っている。事前にいろはと葉山で結託したか。
であれば、
「問題にはならないよ。今までもそうだった」(中略)どこか悲しげに見えた。vol.Y2, l.2834
「陽乃さんに伝えたいですね」vol.Y2, l.3206
の意となる、かも知れない。
なんで葉山が知ってるのやら……vol.Y2, l.3244
不明。とはいえ戸部ら、あるいは少なくとも戸塚は転んだ八幡を見つけている。
「ゆきのんならもっとうまくやってくれたと思うんだけど。」vol.Y2, l.3287
雪乃はうまくやるべきところがまちがっている。 包帯の結び目がちょこんとしたリボンの形になっている
vol.10, l.4208 。
優しくない女の子は、嫌いではないけれど。vol.Y2, l.3334
「優しくない女の子」とは結衣のこと。 だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ
vol.02, l.3217 を引く。
譲歩であれば「今は優しくない女の子は嫌いではないけれど、いつまでも優しい女の子は嫌いだ。」の倒置。八幡の変化を示す。八幡が今は結衣を嫌いではないことの強調。
逆説であれば「優しくない女の子は嫌いではないけれど、好きでもない」の省略。八幡が結衣への告白を回避した理由を示す。雪乃を示す 「好きなもんは好きなんだから」
vol.Y2, l.3844 との対比。
「……やっぱ今日寒いな」vol.Y2, l.3364
地の文からして、八幡が結衣に告白しようとして止めた表現。 言おうとしていたことは頭から消え失せ
vol.Y2, l.3364 た後なので、「今日寒いな」は本来言おうとしていた言葉ではない。
八幡が結衣を選択した箇所は 「わかってる。ちゃんとするよ」
vol.Y1, l.2241 。小町との会話ではあるが、結衣はこれを聞いている。単純に言えば二人は八幡の告白待ち状態だった。
誰かの視線や思惑を気にするようになってしまっているのだ。/まるで、いつかの誰かみたいだ。vol.Y2, l.3470
本編1巻当初の結衣だろう。
いつかちゃんと報いる。/あるいは、報いの時が来るだろう。vol.Y2, l.3493
結3巻以降への布石か。
ケガと寒さを理由に二人で密着しつつ後者に戻り、雰囲気を盛り上げておいて、告白せずに肩透かしして、寒さのせいにしてもらって、そのことについて結衣に報いる。あるいはその報いを受ける。
だから、今はまだ―vol.Y2, l.3604
打ち上げ。雪乃、葉山、玉縄と会話。
なんて、そんな未来を幻視する程度には悪くないvol.Y2, l.3682
その光景はカタログに載ってそうなくらいの幸福感がある。
vol.14, l.1770 など、本編14巻で描かれた結衣との未来との対比だろう。
であれば、結衣との家庭は ありえない想像
vol.14, l.2064 だが、雪乃との労働は起きえる未来、なのだろう。
「君のせいもあると思うが」vol.Y2, l.3715
陽乃の執着は雪乃への執着であって、かつ、この時点で八幡は雪乃に対する態度を表明していない。
「ここに連絡してくれないか」vol.Y2, l.3756
不明。結3巻以降への布石か。
「いろはちゃんは今日あんまり働いてなかったから、ちょっと……」vol.Y2, l.3820
この時点でのいろはは奉仕部に対してまだ距離をおいている。昔のわたしは思っていたのだ。わたしを含めた異分子をそこに入れたくはないと。
vol.14.5, l.2446 の段階である。これは 「いろはちゃんも一緒に撮ろうよ」
/ 「まずは奉仕部の皆さんでどうぞ」
vol.10.5, l.2769 という台詞に対応する。
なお、いろはが結衣や雪乃との距離を詰めるのは恐らく 「こちらこそよろしくです、雪乃先輩」
vol.12, l.2738 。
「ちょっといろいろあるの」vol.Y2, l.3832
カルーアMAXを結衣が全ては飲まないのと同じく、八幡を結衣は全ては占有しない、雪乃と分け合う、の意か。
「しょうがないだろ。好きなもんは好きなんだから」vol.Y2, l.3844 /「そっか。好きなんじゃ、しょうがないね」vol.Y2, l.3847
八幡は(雪乃を)好きだから、(結衣に告白する雰囲気に持ち込みつつ逃げた事は)しょうがない。
結衣は八幡を雪乃と共有する選択をしているので、結衣にとって八幡のこの態度は問題にはならない。
紛い物の物語で構わないvol.Y2, l.3853
八幡と結衣の合意を示すだろう。
2巻までの結シリーズの展開は
「わかってる。ちゃんとするよ」vol.Y1, l.2241 で八幡は結衣を選択し、結衣はこれを聞いている。
「……やっぱ今日寒いな」vol.Y2, l.3364
となる。したがって、「モクテル」は、
という意味で、八幡と結衣の妥協点の象徴、でもある。