アンソロジー

アンソロジー

本来は多数の著者による短編の集合ではあるが、本稿では渡航氏による著編のみ言及する。

斯くして、彼の前に新たな敵は現れる。vol.A1, l.3080

4月半ば。語り手は雪乃父。八幡を雪乃父に紹介しようとする陽乃・雪乃母と、彼女達に翻弄される雪乃とを描く。

雪ノ下家に婿入りした場合の八幡の将来の姿が雪乃父に明示的に重なる。

新設定一覧

伏線回収あるいは読者サービス

時折、思い出したようにスマートフォンを手にすると、ふっと柔らかな笑みを浮かべ、いそいそと何やら打ち込み始める。vol.A1, l.3197

八幡との連絡先の交換は俺ガイル新。 「あと、それ後で送っといて」 / 「それで、あの、あれだな、送り先……」vol.N2, p.039

ご飯行ったんだしvol.A1, l.3236

明日、夕飯食べに来ない? 母が良かったらって言っていてvol.14, l.6590 の回収。

「もっと専門的なこと勉強したいし、できれば一年くらいは行くつもり」vol.A1, l.3318

直接的には陽乃が実家から開放されたことを意味するだろう。更には恐らく享楽的で自棄的だった陽乃が自分に対して投資する行動をとる事自体が、八幡と雪乃が示した結論に陽乃が救われた、という描写である。

なお陽乃が通うと思しき千葉大学は2020年度入学生から海外留学を必修化する。

人に貸せばそこそこ良い値がとれる物件だが、そんなものより雪乃の笑顔のほうが価値がある。vol.A1, l.3358

物件とは海浜幕張駅近くのタワマンの中上層階。つまり雪乃の笑顔は月あたり数十万円の価値がある。ある。ある。

あるいは言い換えれば賃料だけで陽乃の留学代は軽く出る。

『マンション、買いましたので』『名義、変更しましたから』『定期に入れてても仕方ないので米国債に変えましたよ』vol.A1, l.3364

「キャッシュだけならあちらのほうが多いでしょう。」vol.10, l.3223 と合わせ、雪ノ下家が十分に成功した企業創業者一族であること、その正しい運用の典型、さらに恐らくはその運用を指南するプライベートバンカーがついている事、を示す。

一般に、十分に成功した創業者一族は

であるので、

という運用指針をとったと思われる。

それらから遠ざける意味もあって、彼女に一人暮らしを勧めた。vol.A1, l.3377

陽乃の設定。陽乃の言は信用がならない、ということ。

陽乃の理解は、雪乃が 「一人暮らししたいって言い出した」 / 「父が喜んじゃってあのマンション与えたの」vol.05, l.1927 。 つまり陽乃は自身から雪乃を隔離する為に雪乃が一人暮らしした(勧められた)とは考えていない、陽乃による雪ノ下家像は疑う必要があるということ。

さらに、 「本当はもうちょっと上行きたかったんだけど親に言われてねー」vol.05, l.1986 と言いつつ 「大学の授業が一コマいくらか一度計算してみなさい」vol.A1, l.3402 と諭されていること、5巻の陽乃は 「わたし、誕生日遅いんだ」vol.05, l.1973 と言いつつ、誕生日は 7月7日vol.06, l.2014 であることなどと合わせ、陽乃の言は信用がならない、ということの補強でもある。5巻の花火大会の1エピソード中に3つの矛盾が含まれているのなら、これらは著者が設定を忘れた等の偶然によるものではなく、故意と見るべきだろう。

「単位は落としてないんだからいいでしょ別に」 / 「進級するのには問題ないから!」vol.A1, l.3395

陽乃の優秀性の表現ではある。取得容易な単位の情報が入る程度に人付き合いをうまくやっていること、容易に単位を取得できる程度に余裕があること。

面倒だって思われたり、重いって思われたら、……困るvol.A1, l.3466

「重っ」vol.14, l.5122 を引くだろうか。

自分でからかっておいて、そのくせわざわざ慰めるなんて愛情表現が歪みすぎている。vol.A1, l.3479

陽乃の行動原理。「自分でからかっておいて」は共依存の指摘、「わざわざ慰めるなんて」は代償行為であることの指摘。

これまでも 自身が大切にしているものを、もうこれ以上誰にも傷つけられないようにと、先んじて自分で傷付ける。vol.13, l.3220この姉妹は、対立することがコミュニケーションであり、敵対することがエデュケーションなのだ。vol.14, l.6266 などと表現されてはいる。

外堀埋められた隙に内堀堀り始めるような子だし。vol.A1, l.3483

外堀こそ埋めたものの、未だ内堀は健在なのだ。vol.14, l.6611 との対比。単に言葉遊びだろう。

だったら、その手を全部潰すしかないわね / 「雪乃ちゃんの逃げ道から潰さないと」vol.A1, l.3486

いろんな予防線とか言い訳とか建前とか、わかりやすい肩書とかそれを全部潰すvol.14, l.4341 を引くか。但しこの言葉は雪乃母や陽乃は聞いていない。読者サービスに過ぎないとは思われる。

「六月半ばなら会いているからそこにしましょう」 / 「雪乃ちゃん、ああやるんだよ。」vol.A1, l.3529

『だから、金曜日にしておいたから。』vol.08, l.1757 と同種。

やはり妹さえいればいい。vol.A2, l.2678

4月半ば過ぎ。小町による奉仕部の姿。

川崎大志の部活相談。沙希が受験の為、大志は京華の面倒を代わりたい。が、運動部では時間の融通が効かない。

小町案。大志も沙希も京華を懸念しているのだから、京華の意見に従う。

伏線回収あるいは読者サービス

雪ノ下と由比ヶ浜が方を引っ付き合わせて、 / うむうむと満足げに眺めていた小町がvol.A2, l.2783

小町も結衣と雪ノ下の復縁を喜んでいる。

「出たよ、あざといやつ……」vol.A2, l.2757

ぬるい茶に甘味が好きでも、熱いお茶と辛い煎餅を美味しいと言ってみせる行為。

「ちめいど、ゆうめいだいがく、おしゃれ」vol.A2, l.2795

開いてたタブを速攻で閉じちゃいますね!vol.A2, l.2801 に従えば検索キーワードの表現。

「ははっ、どっちかわかんねー」vol.A2, l.2900

小町が大志の好意に気づいていないのか、気づいてあしらっているのか。

「却っ下」vol.A2, l.3000

文化祭スローガンでの 「却っ下」vol.06, l.2338 を引く。

「あなたもよく『行けたら行く』って言うじゃない」 / 「それでどうせ絶対行くし」vol.A2, l.3030

不明。マラソン打ち上げの 「じゃあ、行けたら行く」vol.10, l.4035 は雪乃もその場にいるので結衣が躊躇する必要がない。

「ってことは、こないだのアレも秘密ですね。了解でーす☆」vol.A2, l.3060

(飲料水の)いろはすと俺ガイルのコラボ小説を指すだろうか。

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「弟にそういう気の遣われ方するの、お前の姉ちゃん嫌がるんじゃねぇか」vol.A2, l.3124

「そういう気の遣われ方」とは 「姉ちゃんが予備校行き始めるんで、京華の面倒見ないとかなって。」vol.A2, l.2928

「言わせないでくださいよ。おにーさん」vol.A2, l.3131

川崎大志が小町と結婚すれば、だけではなく、川崎沙希と八幡が結構しても八幡は大志の義兄になる。

そういえばこいつ、陽乃さんのこと結構好きなんだよな……。姉も姉で妹のこと好きだし。お互い愛情が歪んでて、全然理解できないけど……。vol.A2, l.3160

八幡が雪乃から陽乃への好意を理解している表現は初出。

「母にかなり好かれているもの」vol.A2, l.3177

明日、夕飯食べに来ない? 母が良かったらって言っていて。……vol.14, l.6590 での会食後。この会食で母の審美眼に叶ったか。

「全然掃除しないし片付けもやんないのに、急に思いつきでカーペットにコロコロ掛け始めたりする」 / 「わかる。男は細かいくせに気が利かない。」vol.A2, l.3313

「カーペットにコロコロ」が掃除した人物に対して埃が残っていることの指摘、あてつけとなるという事を理解していない、の意。

いつか、その甘さを好きになることができる気がする。vol.A3, l.3060

4月。語り手は結衣父。2月中旬からの由比ヶ浜のお菓子作りの上達を描く。

由比ヶ浜家に婿入りした場合の八幡の将来の姿が結衣父に明示的に重なる。

さらに結衣父、雪ノ下父、比企谷家父を交えての恋を覚えた娘への感傷を描く。比企谷父は八幡の思想や行動に著しく似る。

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なんていうか、たぶん、豊かさの基準、みたいなのが変わってるんだよね。 お金さえあれば誰でも簡単に手に入るようなもんじゃなくて、もっと違うものを求めてるのかなーって気がする。vol.A3, l.3086

例えば「本物」。

「夏風邪は〜」vol.A3, l.3200

「バカが引く」。だとするならばおそらく意味無し。

よくよく見れば、妻が作ったにしては彩りが足りていない気がする。vol.A3, l.3245

以下は八幡が作ったタルトについての評。

「真心こもってていいと思う〜」vol.A3, l.3264

ガハママに教わったとおりに少しばかりの隠し味が施してある。vol.14, l.2008 の隠し味の解。 「やっぱ真心、ですかね」vol.14, l.1886 そのまま。

言って、差し出されたのはクッキーだった。vol.A3, l.3304

不明。アンソロジー時点で結衣製の美味しい甘くない犬向けのクッキーは未出。結衣母作の様なので特に意味はないかも知れない。

競合他社にはないであろうメリットを提示するプレゼン! あえてテンションを上げて前のめりに行くことで、フランクさを演出だ! / ガハハ笑いで誤魔化せる。その場の笑い話で済ませることができる高等テクニックだ! vol.A3, l.3358

結衣による提案、 「ずっとこのままでいたいなって思うの」 / 「ゆきのん、それでいい?」vol.11, l.3962 の答え合わせ。

「どうしたらいいのか解らない」という雪乃や八幡に対して、水族館・観覧車を通して、「ずっと、このまま」のメリットを提示した。テンションを上げて前のめりに。八幡がそれを拒否しても、 「ヒッキーならそう言うと思った」 / 由比ヶ浜はにっこりと優しく微笑んだ。vol.11, l.4012 として誤魔化した。

胸を締め付けるような悲しさと悔しさが滲んでいるvol.A3, l.3380

八幡の感情が雪乃に向いていることを結衣が把握している表現。

「ゆっくり焦らずにやればいいの。」 / 「そうやって、ちょうどいいのを作っていくのも、お菓子づくりの楽しいところよ」 / 大切な秘密の呪文を伝えるような真剣さがそこにはある。vol.A3, l.3389

恋愛を超えて既に人生論。焦らずに好きな人の事を考えているうちに優れた大人に成長するということ。

なおこの時点で由比ヶ浜母は結衣の失恋を知っている。

「バレないくらい少しずつ少しずつだんだん甘くしていくの〜」vol.A3, l.3406

結衣母による八幡攻略法の指南。現状の結衣と八幡の関係ではこの方法論はとても正しい。

「あがいて悩んで苦しんで、その分だけ本気になる……」vol.A3, l.3534

それでも、ちゃんと考えて、苦しんで……。あがいて。vol.11, l.4003 あるいは 考えてもがき苦しみ、あがいて悩み……vol.14, l.6430

「あ、あと、いつもの。人数分お願いしていい?」 / 「マッ缶ですか。懐かしいな……。」vol.A3, l.3559

「MAXコーヒーがあるわけないじゃない」 / 「……まぁ、あるんだけどね」vol.02, l.2598 を引く。川崎沙希のバイト先にマックスコーヒー缶がおいてあった理由は髭面氏つまり八幡父がそう要求したから。

しかし、その言葉の裏には裏がある。vol.A4, l.3082

4月後半。雪乃と結衣は八幡を巡り争える様になる。いろはは小町と結託して八幡を生徒会室に呼ぶ。

典型的ラブコメの姿であって、しかし八幡(や読者)からすれば女性陣の内心は推定し得ない。

もはや奉仕部はかつての危機を迎えない

この短編の主題は、「もはや奉仕部はかつての危機を迎えない」、本編のエンディングが大団円であることの補強である、と考える。

6巻から9巻は八幡らのコミュニケーション失敗による奉仕部の瓦解をテーマとした。これに対してこの短編では八幡らが情報を密に共有する様が描写されている。

修学旅行では八幡が嘘告白の意図を事前に説明しなかった結果、 「あなたのやり方、嫌いだわ」vol.07, l.3088 として生徒会長戦での対立に至った。しかし今や八幡は 「小町がちょっとやばいっぽい。行ってくる」vol.A4, l.3412 として行動の意図を事前に説明する。

生徒会長戦では八幡も結衣も雪乃の生徒会運営を手伝うという発想を持たなかった。あるいは文化祭準備では八幡らは専制的な手法を取る雪乃を手伝わず雪乃は過労で倒れた。しかし今や 「私たちも手伝いましょうか」vol.A4, l.3649 として雪乃も結衣も八幡に積極的に干渉し協力を申し出る。

クリスマスイベントでは八幡が行動の意図を黙した結果 「もう無理して来なくてもいいわ」vol.09, l.2582 として破綻した。今では雪乃らは積極的に八幡の行動を確認しに訪れる。

これらは「色ボケ」と揶揄されるが、しかしその密なコミュニケーション故に、かつて奉仕部に危機を齎した様な齟齬はもはや起きない。

決めセリフ担当者の移行

「翻訳したほうがいいですか?」が、短編中で3度繰り返される。これは本編で繰り返された読者への挑戦状、読者に推理や読解を促す決め言葉、に相当するだろう。また、 導き出した言葉にさえ、裏があるvol.A4, l.3773 として、本編と同じく、複数の解を持つことが明示されている。

本編では読者に読解を促すのは雪乃の役割であった。 「わかるものだとばかり、思っていたのね……」vol.08, l.4069「それがあれば、私は救えると思ったから」vol.09, l.4258 など、雪乃の言葉足らずによる主語や補語が欠損した表現が相当する。この役をいろはが担っている。

この役割変更を以て雪乃が言葉足らずを克服したと言えるか否かは不明。但し少なくとも雪乃や結衣と八幡の間での齟齬はアンソロジーを通して起きていない。齟齬はいろはとの間にのみ残る。

翻訳

「由比ヶ浜さん、本当に上手になったわ」vol.A4, l.3183

「どうすればより良くなるか考えましょう」vol.01, l.1106 を引き、しかし言い回しが異なる事に意味があるだろう。すなわち「どうすれば良くなるか」の目的語は「八幡との仲」、「本当に上手になった」の目的語は「料理」。

「先輩、今の翻訳したほうがいいですか?」vol.A4, l.3232

結衣のケーキの評価は、雪乃あるいは新奉仕部に、八幡のためにケーキを作る結衣が受け入れられるか、という質問を隠す、ということ。雪乃の 単純な味覚以外の部分さえも堪能するかのような深い頷きだった。、八幡の 何より、小町と雪ノ下のお墨付きだ。安心して食べられる。vol.A4, l.3188、結衣の 「でも、よかった……。また作るね」vol.A4, l.3210 からして。

典型的ラブコメの導入部に現れる三角関係に至ったという事自体が俺ガイルでは成長の表現となる。本編中では「雪乃と結衣が八幡を取り合う」エピソードは存在しない。雪乃は あのとき、彼女は確かに一線を引いたはずだvol.05, l.0260 の一線に従い八幡や結衣に自ら好意を示すことがなかったし、結衣は八幡と雪乃について あたしが入り込めないところがどこかにあってvol.12, l.1178 と考えていた。雪乃からも結衣からもこれらの隔意が解消された姿が描かれている。

なおこの諍いは雪乃らが八幡を誘い、八幡が小町に投げて小町が引き取り、その暴投を合図として雪乃と結衣はやり取りを終える。このやり取りが雪乃と結衣の茶番、慣れ合い、である傍証だろう。

「仲良いですね。キモいけど」 / 俺のことキモいと思ってたのかー。vol.A4, l.3246

齟齬。いろはは兄妹の仲が良い事に 割とマジで引いてるvol.A4, l.3245 。八幡は自身がキモいと思われていると思っている。

「先輩みたいな言い方普通にムカつく……」 / いろはすは俺の言い方にいつもムカついてることになりませんかね?vol.A4, l.3310

齟齬。いろはは小町と八幡の言葉遣いが同じことに嫉妬している。八幡はいろはは八幡の言葉遣いにムカついていると思っている。

「先輩、今の翻訳したほうがいいですか?」vol.A4, l.3333

結衣は一人暮らしを始めた雪乃宅に八幡が入り浸る事を懸念している。結衣が仲間に加わろうとしているか邪魔しようとしているかは不明だが、いろははそれも理解しているだろう。

一色は何か思いついたのか、ふむと顎に手をやり一思案。そして、小町をちらりと見ると、常よりも優しげな微笑みでもって、いくらかお姉さんらしい雰囲気で言った。 / 「……興味あるなら、お米ちゃんも生徒会室きます?」vol.A4, l.3379

俺ガイルでは八幡は推測はまちがえるが観測は正しい。であるから「優しげな」は悪巧み、小町を利用して八幡を呼び出すこと、ではない。とするならば恐らく八幡らの引退に伴う新奉仕部の終焉対策、今って言う時間に縛られて、そのうち過去に囚われて、わたしもこの子もどこにもいけなくなってしまう。vol.14.5, l.2423 の短期解として、小町を生徒会に誘うことを考えている、のだろう。

「そういうとこ、たまにすごいヒッキーに似てる」vol.A4, l.3386

「そういうとこ」とは、イベント運営に興味を持っているにも関わらず一旦その誘いを断るところ。恐らくは八幡と同じくなんらかの自意識によるもの。

「では、お米ちゃん、借りてきますねー☆」vol.A4, l.3396

この後八幡が生徒会室に呼び出された時点ではいろはと小町は結託している。八幡を呼び出した理由も複数存在する。

等々。

「邪魔するのもあれかなーと。せめて言い訳くらいあげたほうがいいかなと思いまして」vol.A4, l.3448

奉仕部の活動の邪魔ではなく、雪乃や結衣との仲の邪魔。小町の 「たすけて……」vol.A4, l.3408 を雪乃や結衣への言い訳として用意した、ということ。

「一回、みんなでご飯食べたくらいで仲良くなったと思ってるんですかね」vol.A4, l.3552

直後に 具体的に経験しているわけではない とある。雪乃母らとの会食は意図していない。

「言ったじゃないですか。料理、得意だって」 / 「今の、翻訳したほうがいいですか?」vol.A4, l.3762

「いろはには愛がある」。 「いろは先輩はカスや……」vol.A4, l.3288「料理は愛情ですから」「愛がないとカスですよ、カス」vol.A4, l.3308 、からの三段論法。

という言葉にさえ、裏がある。俺ガイルとはそういうものだ。

一色だけがくすりと微笑んでいた。 / そう、一色だけが……。vol.A4, l.3775

つまり雪乃と結衣(と小町)は微笑んでいない。